某年某日

お前、医者だろう！

すっかり親しくなった禁煙運動家の歯医者サンが、我が家の紫煙濛々たる遊び部屋に、若い医者を連れて遊びにいらっしゃった。この若い医者は日本○煙学会と名乗る嫌煙病の患者団体に入って頑張っているとか。見るからに駆け出しという雰囲気の奴だったが、異なった意見を闘わせて互いの理解を深め、識見を深めるのは良いことだから、大いに歓迎した。

色々と話しているうちに、この若い医者クンは、最近の医者によくいる暗記だけは得意な偏差値秀才タイプ。たばこさえ撲滅できれば、世の中の病気は全て無くなると信じ込んでいる単細胞阿呆だということがだんだん分かってきた。会話が成立せず、次第に話すのが大儀になるが、そこは我慢である。

こういうタイプの若い医者は志があって医者を目指したわけではなく、学校のお勉強が少しできたからという理由で安楽な生活を夢見て医学部に進んだ連中がほとんど。若い時分は手近な看護婦にすぐ手をつけたりするし、中年になるとろくに勉強もしないでひたすら金儲けだけを考える奴が大半だ。私はそういうひどい医者をたくさん知っているから見立てにはいささか自信がある。

そんな医者に限って「喫煙者は診療しない」などと偉そうに言ったりする。医師法違反で医師免許を剥奪されても知らんぞ。

それはともかく、このヤブ医者以前の竹の子クンに、たばこを喫い始めたら末期肺癌の進行が止まった後輩の事例を尋ねてみた。以前、この「つぶやき」欄で紹介したケースだ。

すると曰く、「担当の准教授に、研究の為にとカルテを見せて頂きましたが、その方は特異な事例です」

「この竹の子野郎！半人前の分際で、なにを言いやがる」と、どやしつけようとしたら、禁煙運動家の歯医者サンが「お前、医者だろう！」と先に怒った。

歯医者サンの竹の子医者への説教を要約すると「自分は市井の歯医者だから、禁煙運動の広報活動くらいしか出来ないが、お前さんは肺がんを研究し治療しているのだろうが。特異な例で済まさず、たばこを喫い出したら、肺癌の進行が止まった理由を解明して、一人でも多くの患者さんを助けるのが、お前さんの使命ではないのか。禁煙団体のどうでもよいパンフレットを持って来る暇があったら、死に物狂いで研究して新しい治療法を捜せ！」

味方だと思っていた人生の先輩の歯医者サンに諄々と諭された竹の子クンはうなだれるばかりだった。

親しくなった歯医者サン、ちょっと前には考えられなかった様なすごい変化だ。

嫌煙教団のホームページや宣伝パンフレットのおかしな点や矛盾点を私がいくつか指摘してみせて、宿題にしたのが半年前。それから、ご自分のオツムで色々と考えるようになられた。

嫌煙教団の洗脳は確実に解けつつある。

某年某日

これが「タバコで死んだ有名人」なんだって

権威盲従タイプの竹の子クンが持参してきた嫌煙教団の宣伝パンフレットを紹介したい。 竹の子クン曰く、「たばこが原因のタバコ病の一覧表にもなっています」と言い切る。

以下がその内容だ。

よく集めたね。ご褒美をあげたいところだが、これは「亡くなった喫煙者」であって「たばこが原因で死んだ人」ではなかろう。さすがに思考の混乱とこじつけ上手で名高い嫌煙教団ご推薦のパンフレットだ。意識的に若死にした方を集め、７０歳以上の方を少なく掲載している。

その上、この竹の子クン「７０歳以上でそれほど有名人はいません」と強弁する。

そこで先日、東京・渋谷のたばこと塩の博物館で開催された「紫煙と文士たち　林忠彦 写真展」の図録を思い出して、本棚から探して愛煙家で鳴らした文豪、文士たちの名に印をつけ、竹の子クンへ「これを見なさい」と突きつけた。

ざっと挙げてもこれだけいらっしゃる。

７０歳以上でお亡くなりになったこれらの文豪、文士達は日々、たばこを喫って脳髄を振り絞って文学作品を産み出してこられたのだ。

竹の子クン、君は子供の時分からガリガリと詰まらぬ受験勉強ばかりしてきて、文学には縁が無かろう。しかし、愛煙家だった文士に少しは敬意を払い給え。