禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

雲造院杢杢愛煙信士のつぶやき17
雲造院杢杢愛煙信士

某月某日

タバコを喫うと老けて見えるそうだ

5月31日はご存知、「世界禁煙デー」。今、注目の哲学者適菜収さんのことばで言えば、世界を蝕む「B層」の方々による「B層」の方々のための催しだ。

この日からの1週間は「禁煙週間」として、色々な行事が行われた。私が住んでいる街の商店街でも、アーケードの真ん中あたりで毎年行事が行われている。

嫌煙の方々を観察するのは面白そうなので、買い物がてら、孫と一緒にパイプをくゆらしながら冷やかしに行った。私は、異常に攻撃的な嫌煙運動屋サンとは人種が違うつもりなので,会場に着いたら、おとなしくパイプに蓋をしてポケットにしまった。まっ、大人のたしなみです。

例によって体力測定コーナーには、嫌煙サンが大好きな人間の臓物写真のパネル類が色々と並べてあった。嫌煙サンの素敵なご趣味にケチをつけるつもりは毛頭ないけど、おどろおどろしいね。

パネルの中で喫煙者と説明されている人の肺臓の写真はドス黒い。非喫煙者と説明されている人のみずみずしい肺臓と比べると、たばこが如何に身体に悪いか、一目瞭然というわけだ。

だけど、この喫煙者の肺臓の写真とされるものが、どこかの嫌煙医者サンによって色素で黒っぽく着色されたものであることの説明はどこにもない。普通は、こういうのは「捏造写真」と呼ぶと思うんだけどな。

次回からは、どこの医大もしくは病院の、何という名前のお医者サマが撮影した写真なのか、きちんと出典を明記して展示して欲しいな。

まっ、それはさておき、気持ちが悪くなるようなパネルを横目に見ながら、孫と一緒に体力測定をした。

今年から新たに「お肌の年齢測定」のブースが増えていた。

ブースに白衣を着たヒトが座っていたので聞いてみたら、「たばこを喫うとこのようになりますよ」と脅しても、若い女性は気にしない人が多いので、これを増やしたそうだ。白衣を着ていたから「あなたは女医さんですか、それとも看護婦さんですか」と尋ねたら、医者でも看護婦でもないそうだ。

何だか、紛らわしいな。そこで余計なお世話とは思いつつも、「失礼ですが」と職業を聞いたが、笑ってごまかして教えてくれなかった。何だかダマされている感じがしてきたぞ。

まっ、それはさておき、せっかく来たので肌の年齢測定をしてもらったら、結果は55歳と出た。ついでに体力測定もしてもらったら同じく55歳。

まあ、そんなものだろうと満足していたら、白衣を着た職業不詳のご婦人が「たばこを吸うと5〜10歳以上老けてしまいますよ」とおっしゃった。

「私、何歳に見えますか?」

「お連れのお子さんが中学生くらいなので50歳ぐらいかなと思います」

「ありがとう。実はこの子は私の孫でしてね。私は62歳です。しかも自慢じゃないけど、大の愛煙家でね」と言いながらおもむろに被っていたソフト帽をとって、ポケットからパイプを取り出してライターでたばこに火を着けた。

この白衣のご婦人。出て来た私のピカピカの禿頭とパイプを見て、びっくりなさっていた。

わざわざ嫌煙サン連中と喧嘩しに来たのではないから、にっこり笑って「それではさようなら」と孫と一緒に会場を後にした。

帰り道、孫は笑って「おじいちゃん、またやったね」。

たわい無い話で恐縮ですが、お肌の大敵はたばこよりも睡眠不足だと思いますよ。次がストレスですかね。

誰しも経験あることだと思いますが、睡眠不足が続くと、目の周りにクマができたり、にきびや吹き出物ができて、肌が荒れてくるものです。美肌と睡眠は深く関係しています。

仕事等のストレスもお肌の大敵でしょう。ストレス解消のためにたばこを喫う方も多いでしょうが、適量ならば、たばこはストレス発散に最適だと思います。喫い過ぎはやはり良くありませんな。これが私の62年間の経験則です。

他の要因を最初から一切排除して、たばこだけがお肌に悪いと決め付けて、喫煙者を脅かすのは、例の捏造写真と同じで、感心しませんな。


某月某日

健康オタク

四夜連続のお通夜があった。そんな年齢、年回りと言うべきか、62年間、生きてきて初めての経験だった。

99歳の親戚の伯母さまは、天寿と言えるが、同じ代の三人の死はショックだった。

カメラ仲間の61歳と音楽仲間の63歳、古武道の仲間63歳。

この三人は、皆、病気知らずの元気者だった。

カメラ仲間と音楽仲間の二人はどちらも健康オタク。思い込みが激しいせいか、健康こそが人生の目的と、勘違いしていた。

会えば、今の流行の健康法や健康食品のことばかり話していた。そんなつまらぬ話ばかりしかしないので、周囲からはやや敬遠されていた。

もちろん、たばこは一切喫わないし、酒も少したしなむ程度。

周囲に不快感をまき散らす嫌味な嫌煙サンの類ではなく、大人の良識と節度をわきまえていたが、私がパイプをうまそうに喫っていると、「身体に悪いよ」「早死にするよ」と要らぬおせっかいばかりしてくれた。

いつも身体に気をつけ、22時就寝6時起床の規則正しい生活をしていた。朝の散歩やジョギングなどの運動を小まめにやっていた。

にも拘らず、病気であっさりあの世に逝ってしまった。

私は二人の仲間に「健康オタクは早死にするぜ」とからかっていたが、その通りになってしまった。

私と同じいわゆる「団塊の世代」の仲間が続けて亡くなると、人間のはかなさをしみじみと感じる。それと行き過ぎた健康主義の馬鹿馬鹿しさも。

2012.08.03