禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

雲造院杢杢愛煙信士のつぶやき20
雲造院杢杢愛煙信士

某月某日

肺癌の原因の遺伝子が特定されたそうだ

前回紹介したバーで知り合い、仲良くなったお医者さんに「もし私が肺癌になったら、治療をぜひお願いしますね」と依頼したら、「私の友人で地方の大学病院の教授で肺癌治療の名医がいるので、万一の時には彼を紹介します。ちょっと難しいかもしれませんが参考にして下さい」と後日、その大学教授の英文の論文をいくつも送って下さった。

私は、英語はそこそこ達者なつもりだが、見慣れない医学の専門用語が並んでいる論文はやはりてこずる。悪戦苦闘していると、紫煙朦朦たる拙宅の遊び部屋に、いつかこの欄で紹介した熱心な禁煙運動家の若い竹の子医者がひょっこり遊びに来た。

私のようなスーパーヘビースモーカーで、嫌煙運動を厳しく批判している者は、嫌煙サン連中からすると憎むべき不倶戴天の敵のはずだ。なのに、ご近所の禁煙運動家の歯医者さんや、この竹の子医者君がときどき遊びに来る。

不思議なこともあるものだ。ある時、「名だたる愛煙家がたむろして煙モウモウの我が家に、どうしてわざわざ遊びに来るの?もちろん、来てくれた以上は大いに歓待するけど」と尋ねたら、「自由闊達な雰囲気が楽しい。酒もたばこも自由で居心地が良いから」だそうだ。

愛煙家の梁山泊とも言われる我が家に、わざわざやって来られる善意の禁煙運動家諸君はなかなか偉いものだと内心思っている。

しかし、大方の嫌煙サンは、もしかすると心の病ではないかと思われる御仁や、見るからに子供っぽい考えの方、偏狭な考えの方ばかりが目立つ感じがする。前回紹介した大人の寛ぎの空間であるバーで禁煙を声高に強要するような方がその代表例だ。

そういう連中を批判し、断固闘って行かないと社会全体が病み、暗くなる。現に、今の日本の社会はおおらかさや寛容を忘れ、陰険でギスギスした独りよがりの嫌煙サンがのさばる社会になろうとしている。しかも愚かな役所や考えの浅いマスコミがこうした風潮を煽っている。歪んだ健康至上主義が社会を支配したナチスドイツみたいになってきているではないか!!!
何だか敬愛する師匠の愛煙幸兵衛先生みたいな口吻になってきた。

さて、英文の論文を竹の子医者君に渡して「君の勉強にも役立つぞ。わかりやすくポイントを要約して説明してくれないかな」と依頼。パイプを吹かしながら、悠然と待った。竹の子医者君は、邦文の類似の論文を読んだことがあるそうだ。竹の子君は未熟だが、大学病院の肺癌の専門医の端くれなので、たまには役に立つ。

以下、竹の子医者君の要約。

1)肺癌になる遺伝子があることは前から知られている
2)その遺伝子を持っていれば、肺癌になる確率が高い
3)逆にその遺伝子がなければ、たばこを喫おうが、排気ガスにさらされようが、肺癌になるおそれは低い
4)この遺伝子を働かない様にする治療法がある
5)肺癌治療をした患者にこの治療をすると5年以内の再発は殆んど無い
6)検査で肺癌遺伝子が有るか無いかを調べる事が出来る
7)もし見つかっても、治療は可能だから心配ない

要は、医療が飛躍的に進歩してきており、肺癌を極度に恐れる必要は無くなりつつあり、肺癌になりにくくする治療も可能になってきている、もし罹病しても治る可能性は高くなってきている、ということのようだ。

考えてみれば、つい数十年前は、日本人の癌の代名詞だった胃癌は不治の病で助からないと恐れられていた。しかし医学と医療の発展でかなり治るようになっていている。それと同じことが肺癌治療にも起きつつあるということのようだ。

竹の子君曰く「この先生は抗癌剤、分子標的薬や放射線治療を複合的に組み合わせ、肺癌を中心とした悪性腫瘍、すなわち消化器癌、乳癌、卵巣癌、頭頸部癌、腎癌、原発不明癌、胚細胞腫瘍、リンパ腫、肉腫などの治療で実績があることは知っていましたが、この様な研究をなさっていたのですね。素晴らしい研究事例ですよ。これが事実なら素晴らしい」と感激していた。

私が「これまで君を竹の子医者と言って、悪かったな。少し見直したよ。竹の子医者はもうそろそろ卒業だな」と褒めたら、「竹の子を卒業したら何になるんですか?」と聞くので、「決まっているじゃないか。ヤブ医者だよ。ヤブ医者に昇格したんだ。おめでとう」と激励した。

この若者も、我ら愛煙家に揉まれて人間の幅が一回り大きくなった。ここだけの内緒の話だが、もう少したって一人前の医者になった頃合を見て、パイプを勧めようかと思っている。


某月某日

愛煙家天国インドネシア

隣家のご夫婦がバリ島へ遊びに行って来られた。

最近、奥様がバリ舞踊に興味を持ち、是非本場が見たいと、ご主人を連れてインドネシアを訪問。6月から7月に1ヶ月間ほど行われたアートフェスティバルを観て来られたそうだ。なかなか優雅な御趣味である。

御主人は、どうせお金を使うならヨーロッパ旅行したいと、インドネシア旅行を少し渋っていたそうだが、すっかりインドネシアファンになって帰ってこられた。

「いや〜、インドネシアは、実に良いところですよ。ホテル代以外の物価がとにかく安い。地元の人が行く店に行けば100円弱でそこそこの美味しい食事ができる。特にたばこは驚く程安いし、何処でも吸える。僕のようなたばこ喫いにとっては天国の様な所だ。来年は1ヶ月くらいゆっくり遊びに行くよ」とのこと。

インドネシア銘柄のたばこなら50円弱からあり、マルボロなどの外国産でも100円程度からあるそうだ。葉巻も地元産なら1本20円くらいからあるとか。

ホテルのロビーのソファーの横やテーブルの上には大きな灰皿が置いてあり、それを見た時は、古き良き昭和の時代を思い出したそうだ。あの頃は、おぞましい嫌煙サンなどいなかったからね。

今では考えられないことだが、昔は人が集まる所には必ず灰皿があった。たばこが男のコミュニケーションの道具の一つだったからだ。

言葉のちょっとした行き違いで場に緊張が走っても「まあ、一服しませんか」とたばこを喫いながら話題を変えて四方山話で雑談すれば、しばらくすると冷静になって険悪な雰囲気に陥るのは避けられたものだ。

最近、良い歳をした大人の間でも「キレる」とかいう粗末な言葉が流行っている。

興奮して怒り、正常な判断力を失って過激な言葉を発したり、暴力的な行動をとることを云うらしい。人間関係が深刻化しないためには緩衝材が必要なのだが、そのためには「たばこで一服」がもっとも簡便だった。生活の智恵というわけだ。

それが最近の日本では、屋内はもちろん、屋外でも路上喫煙禁止条例や敷地内禁煙とかで、自由にたばこが喫えなくなってしまっている。

トゲトゲしい人間関係や、自分の権利や主張ばかりを攻撃的に言い募るギスギスした社会が大好きな嫌煙の皆サン。あなた方が待望していた社会が実現しましたね。

これで満足ですか?

嫌煙団体として有名な日本○○学会サンは、たばこ嫌いの弁護士サンが大勢、会員におられると無邪気に自己宣伝なさっているそうだ。弁護士が何か偉いものだと勘違いなさっていると見える。弁護士サンといえば、ケンカやトラブル、人の不幸が飯のタネのご職業だけに、このところさぞかし商売繁盛でしょうね。御同慶の至りです。

さて、インドネシアでは、たばこは何処でも自由に喫えるそうで、今の日本の様に「タバコを喫ってもよいですか?」なんて聞くと怪訝な顔をされ、黙って灰皿を指差されたことが多かったそうだ。

テレビを観ても、タバコのコマーシャルが多かったそうだ。昔、日本で流れていたのと同じ様なCM、例えばカウボーイが馬に乗ってたばこを燻らすCMを見た時は、タイムスリップをした様に思えたそうだ。

嫌煙サンからすれば腹立たしい国だろうが、愛煙家の私や隣の御主人からすると素晴らしい国である。

不快な嫌煙サン連中がはびこる我が日本を脱出して、私もインドネシア一度、ロングステイしようかと思っている。

2012.09.28