禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

子供の健全教育って?  ―その4―
<承前>

「パイプ煙草は美味しいなぁ」

拙者はパイプからおもむろに煙を出しながら、ヤクザまがいの教員3人に、にっこりしました。

すると後ろに控えていた肥満体の女教員が「タバコ止めろよ!テメー」と野太く甲高い奇声で怒鳴りました。どうやらホルモンバランスが壊れているお方のようです。

今から考えると、この女教員は、大分県教育局が全国に範を示した不正採用組なのかもしれません。賄賂と縁故採用の偽教員でもなければ、保護者に「テメー」呼ばわりはしないでしょう。

「おいおい、そこの女教員サン。あなたごときにテメー呼ばわりされる筋合いはありませんな。撤回して土下座して詫びて貰おう」

するとこの女教員、「テメーがタバコ吸うのが悪いんじゃないか」とまたしても奇声を張り上げました。興奮して手がつけられないヒステリー状態に陥ったようです。

やれやれですな。

授業参観に訪れた保護者の方々が遠巻きに様子を窺っています。次第に数が増えているようです。ますます騒ぎを大きくして、多くの保護者の方々に、この小学校の教員連中の質の悪さ、程度の低さを喧伝した方が宜しいようです。

「君たちの程度の低さ、質の低さはよくわかりました。君たちでは話にならないから、責任者である校長を連れてきたまえ。それと、そこの女教員さん、暴言を撤回するつもりはないようだね。保護者として君の暴言及び態度は許せないので、区の教育委員会に通知してしかるべき懲戒処分を請求します。若造君。君も棒を所持して私を威嚇している訳だから同罪だ」。拙者は穏やかに諭しました。

しばし無言の睨み合いが続きます。

すると旗色悪しと見たのでしょうか、年配の主任教師が急に「これはこれは失礼しました」と猫なで声を出して「○○先生、△△先生、失礼な言動をしたことを、まずこの方にお詫びなさい」と指示しました。まさに漫画のような態度豹変です。

この主任氏、真っ先に興奮して逆上の気配を示していたのにようやく落ち着いたようです。これ以上、喧嘩大好きの拙者を相手にとことん事を構えると、一大事になって収拾がつかなくなると考えたのでしょうか。

しばし間を置いて、女教員と若造が「申し訳ありませんでした」と不承不承頭を下げました。

本来なら拙者も、日本社会の美風に則って相手が謝れば、すんなり受け入れるのですが、今回は理不尽極まる言い掛かりをつけられた訳ですから、そう簡単に許すわけには参りません。それに、こういう禁煙ファシスト及び嫌煙ナチスの連中とは事あるごとに徹底的に対決して、不寛容者主導の狂った社会風潮を身の回りから少しでも是正しておかねばならないという使命感が沸々と湧き上がってきました。不寛容には不寛容で対抗する訳です。

「申し訳ありません、では許すことは出来ません。土下座して詫びて貰いましょう。それと今すぐ、校長を呼びたまえ」拙者は断固として要求しました。

いやしくも志ある人士なら、土下座を求められる失態を犯せば、恥じて割腹して果てるというのが光輝ある日本精神です。拙者はまさか土下座に応じるまいと考えていましたが、なんとこの女教員と若造君は主任氏に「さあ」と強く促されて、拙者に向かって土下座し、雁首並べて「申し訳ありませんでした」と謝罪するではありませんか。

拙者は唖然として言葉を失いました。驚愕の一言です。こんなにあっさり土下座されたのでは、振り上げた拳も下ろさざるを得ません。人格異常の嫌煙ナチスさんのように嵩にかかってしつこく言い募るという真似は、拙者にはとても出来ません。いささか理屈っぽくても、拙者もやっぱり日本人なんだなぁ、甘ちゃんだなぁという忸怩たる思いを秘めたまま矛を収めることにしました。最近、猖獗を極めるというモンスターペアレンツスとやら(嫌煙ナチスさんと一脈通じる類の連中でしょう)と誤認されてもいけませんから。

「わかりました。あなた方の謝罪をひとまず受け入れます。あなた方の品性を疑う暴言と威嚇的な態度は水に流してひとまず不問と致しましょう。では遠慮なくパイプを吸わせて貰う」

すると主任氏「ありがとうございます。それでも、やっぱりタバコは止めて頂けませんか」と来ました。妄執に囚われた嫌煙ナチス体質の男ですが、多少は年を食っているだけあって、少しは骨があるようです。

「止めませんよ。あなたの要請は、はっきりとお断りします」。拙者はパイプからプカリと煙を出しました。

すると主任氏「タバコは子供の教育上よくありません」と話を蒸し返します。

「一体、子供にとって私が校庭でパイプを吸っていることの何が良くないのですか? 私は子供にも自由にタバコを吸わせろ、などと暴論を吐いているわけではありませんので。念のため」

「タバコが子供に良くないのは常識ではありませんか。タバコは有害です。百害あって一利もありません。そんなのは当たり前の常識でしょう」

この主任氏もどうやら学力不足なのに、親のコネやらを駆使してインチキで教員になったお方かもしれません。拙者の質問の趣旨がなかなかご理解いただけないようです。思考の混乱した主任氏の誤導で論点がずれそうになってきました。

「確かに吸い過ぎは体に有害かもしれません。但し、私はストレス解消や思考力を高めるのには、タバコはとても有益と考えておりますので、あなたとは見解がまるで違います。異なった見解があるにもかかわらず、一方的なあなたの思い込みだけで世間の常識と決め付けるのは止めて頂きたい」

「でもタバコが百害あって一利無しということは、色んなお医者さんも言っているではありませんか。新聞にもそう書いてあります」

「ほう、そうですか。これは驚いた。一部のヤブ医者がそう言ったり、新聞にそう書かれれば、世間の常識になるのですか。あなたの言う常識とやらは、随分とお粗末で薄っぺらな常識ですな」

この主任氏に常識の意味を教えてやる義理はありませんので、話を進めることにしました。

(愛読者の皆様。拙い駄文もこの回で終わるつもりでしたが、もう一回だけ我慢大会と思ってご容赦下さい。師匠の愛煙先生によると、拙者の脳味噌は筋肉で出来ているそうですが、記憶力だけは良いので、遣り取りを忠実に書くと、つい長くなってしまうのです。日本パイプクラブ連盟の編集部からも「話がくどい」とお叱りを受けました。御免なさい。次回で本当に終わりです。愛煙家の皆様からの毎回、多数のご激励のお便り、ありがとうございます。心から感謝しております)

愛煙幸兵衛一番弟子
2008/10/06