禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

紫煙が目にしみる(1)
平井 修一

昨年7月から全国津々浦々でタスポが導入されたが、売上げが激減してたばこ屋さんは青息吐息のようだ。

先日、隣町の駅前にあるたばこ専門店のご主人に話を聞くと、自販機の売上げは70%減、その代わりに1個1個を窓口で売る手売りがべらぼうに増えたが、とても自販機の売上げ減を埋められずに「食べていくのがやっとになってしまった」と嘆いていた。

 

以前なら店を閉めていても勝手に自販機で客が買ってくれ、月の売上げが300万円(粗利30万円)あったのに、今ではどうにか200万円。少しでも売上げを確保するために終日店番をしなければならず、まったく割に合わないという。

 

福岡のJTの知人に聞くと、「一般店(たばこ屋さん)の廃業は昨年5〜8月にかけ激増し、福岡県だけでも50軒/月も廃業した」。じいちゃん、ばあちゃんが細々と経営していたたばこ屋さんが紫煙のごとくに消えていく。

 

流通業態別の販売シェアも激変した。

コンビニ 40% 60%
一般店 40% 27%
量販店 8% 7%
VMオペ 7% 3%
鉄道 1% 1%
パチンコ 5% 5%

 

端数があるので100%に合わないが、大体こんな感じに。「一般店」の売上げは3分の2へ。「VMオペ」は自販機(vending machine)による販売業者で、売上げはなんと半減である。

 

小生はVMオペだったが、タスポと同時に解雇された。むべなるかな。

 

一人勝ちがコンビニで、「タスポ導入直後、対前年比160%。それから徐々に落ち着き、本年4月(福岡の場合はタスポからちょうど1年)で140%程度へ。元々の販売形態が対面販売主体のため、自販機の顧客を簡単に取り込めた」。

 

VMオペレーター各社は、タスポ普及率に反比例し、導入当初は20%に販売高が激減、回復傾向にはあるものの、有力大手企業でも現状45%がアッパーといったところ。過去の売上の6割減では大手企業でも存亡の危機にあり、東京の有名オペレーターも廃業したという。

 

タスポ普及率は2009年6月現在、推定喫煙者数の34%、920万枚にとどまっている。日本自動販売機工業会によると、08年の自販機でのたばこの売上高は49.7%減の8540億円。設置台数も18.4%減の42万4200台へ。

 

タスポの所期の目的である未成年者の喫煙防止は成果をあげたろうが、

死屍累々である。(つづく)
2009/09/09