禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

本当ですか??? 米国癌学会様
多言居士

日本パイプクラブ連盟から時折、たばこ関連の原稿の寄稿を依頼されるようになって以来、私は、たばこに関する新聞記事や雑誌記事を目の届く範囲で、スクラップしている。たばこを槍玉に挙げて魔女狩りするトンデモナイ与太記事(トンデモ記事と呼ぼう)が、スクラップ帖に随分溜まった。

最近のトンデモ記事はやや旧聞に属するが、今年8月26日付けの日経夕刊のワシントン発共同電。見出しは「喫煙死 年600万人」。米国癌学会などの報告書を紹介した記事だ。

記事は「喫煙が原因と考えられる癌や心臓病によって死亡する人は、世界で年間約6百万人に達し、さらに増える見通しである」とある。

実に曖昧模糊とした書き方だ。次々に疑問が湧き出てくる。

「喫煙が原因で死亡する人が年間600万人」なのか?
それとも
「癌や心臓病で死亡する人が年間6百万人」なのか?
果たして、一体どちらなのだろう?

見出しの通りだとすると「喫煙が原因で死亡する人が年間600万人」と読める。そう読んだから整理記者がこうした見出しをつけたのだろう。

それでは、米国癌学会などは、「喫煙」と「癌や心臓病」の因果関係を果たして証明できるのだろうか?

本当に証明できたら、ノーベル医学・生理学賞は間違いなかろう。一刻も早く証明して欲しいものだ。

この報告書の数字は、恐らく疫学に基づく統計数字なのだろうから、因果関係ではなく、相関関係ということなのだろう。

それなら、どうやって600万人という数字を弾き出しているのだろうか?

わざと曖昧な書き方をして、読者を誑かさずに、根拠を丁寧に説明して欲しいものだ。

さてさて、この記事には「喫煙する人はしない人に比べて平均で十五年早く死亡する」とある。報告書にそう書いてあるとすれば、「驚き 桃の木 山椒の木」の驚愕の数字だ。

男女別は書いていないから、我が国で云えば、平均寿命は82歳程度。喫煙者は67歳くらいで死亡するということなのだろうか。

生活実感とは掛け離れた数字だ。還暦をとうに超した私の周囲でも同年輩の人が随分既に亡くなったが、色んな物故者の顔を思い起こしても、たばこと寿命は無関係。

どちらかといえば、酒も飲まない、たばこも吸わない人の方が、早死にしている印象がある。お気の毒に。

百歩譲って、もし、この数字が本当ならば、嫌煙団体の方々が狂喜して歓迎する数字だろう。どうして、見出しに取らないのだろうか?

本当ならば、1面トップの大見出しがふさわしいだろうに。

どういう統計のトリックを使えば、こうした数字が弾き出されるのか、ぜひ知りたいものだ。共同通信さん、ぜひ、続報の特集記事で説明して下され。

記事の文中にさりげなく書いて、見出しに取らないのは、読んだ人から問い合わせが殺到して、ウソがばれてしまい、報告書の信用が総崩れになってしまうのを恐れてということだろうと、私は想像している。

記事の最後は奇妙奇天烈な計算を披露してくれる。
いわく「試算では、2010年に喫煙が原因で死亡する人は、年間死者数の約十分の一に当たる約六百万人となり、医療費や若い労働者が喫煙で死ぬことなどに伴う経済損失は約五千億ドル(約47兆円)に達する」とある。

恐らく死ねば、経済損失が計算できるということだろうが、早死にすれば医療費はかからなくなる。死んで必要になるのは葬式代だ。米国癌学会の言うように喫煙で、平均より15歳若く死んだとしても(勿論ウソだろうが)、統計上は労働人口ではなかろう。稼ぐ世代ではないということだ。私のような年金で暮らす老人が喫煙が原因でばたばたと早く死ねば、年金会計は黒字になって、政府や保険会社は大いに助かるだろう。

経済損失とやらは本当にあるのかね?

この摩訶不思議な計算の根拠を知りたいものだ。無学な私には想像もできない計算をしているに違いない。

嫌煙の医者は、たばこを攻撃するためには、どんなウソをついても構わないと思っているようだ。

老婆心でご忠告申し上げるが、いずれウソはばれますよ。

2009/10/05