禁煙ファシズムにもの申す
健康的に良いパイプを喫おう! |
国際パイプ・アカデミー会員 鈴木 達也
このサイトで度々指摘されているが、嫌煙・禁煙運動の論調の多くは、膨大な喫煙に関する論文の都合の良い部分のみを取り上げているに過ぎない。厚生労働省の発表も矛盾に満ちたものだが、これは矛盾に満ちたWHOのヒステリックな勧告の受け売りに過ぎない。WHOの勧告を隠れ蓑に、自らの過去の発表にほおかむりをしようとするものであろう。喫煙率が現在より高かった時代に、当時の厚生省(2002)は、 先進工業国で喫煙率が最も高いわが国では肺癌罹病率が最も低く、半分ほどであることを発表した。ところが今は、タバコのパッケージには‘肺癌に罹る恐れ’を強制的に書かせているのである。 そもそも、WHOはエイズ、エボラ熱、サーズなどに対する後手後手の対応に対する批判をかわす意味もあって、新型インフルエンザなどの対応ではむやみに恐怖感を煽るだけである。これに便乗しているのが多くのマスメディアである。神奈川県知事がマスコミ受けを狙って発表する愚かな政策も同様である。自らの失策を、外敵を作ることで隠そうとするのは、後進国の常套手段である。 上に掲げたのは、嫌煙・禁煙運動のキッカケとなった米国公衆衛生局の広報(1964)からの抜粋である。387頁におよぶ長大なこの広報に改めて目を通してみると、上掲の(1)の記述は何度も繰返されている。45年も前の広報でありながら、米国公衆衛生局のこの広報1103は依然として、嫌煙・禁煙運動のバイブル的存在である。今でも、PDF版をダウンロードすることが出来る。 先に挙げた神奈川県知事ばかりでなく、多くの自治体の禁煙の動きは喫煙全てを“悪”ととらえ路上禁煙まで押し付けている。そもそも、路上禁煙は混雑した路上で 上掲の米国公衆衛生局の広報はパイプ喫煙に関しては、葉巻も含めて極めて肯定的な結論を出しているが、これがほとんど無視されていてタバコ喫煙が全て同等に扱われてしまっている。各所に貼られている禁煙マークにはシガレットしか描かれていないにも拘わらずパイプも禁止されるのである。 パイプを銜えて歩いていると、禁煙監視員から注意を受けることがある。環境問題だと云う。問題のすり替えである。副流煙の害なぞは、WHOはかって「因果関係は認められない」と発表したことがある。しかし、マスコミの多くはこれを闇に葬ってしまった。喫煙と喘息の関係は、この米国公衆衛生広報が否定している。 筆者は幼少のころから、喘息を患っている。主治医は、「タバコを止めろ」と云う。筆者が「パイプで喘息を抑えているのだ」と云うと黙ってしまう。 上掲の広報1103の(2)は、「‘ふかす’だけのパイプ喫煙は吸い込むパイプ喫煙より死亡率が20%低い」とするものだが、(1)でパイプ喫煙愛好家の死亡率は非喫煙者と同じように低いとすることから、‘ふかす’だけのパイプ喫煙者は非喫煙者より死亡率が20%低いということにはならないだろうか? 確かに、86歳の長老がパイプスモーキング選手権で9回も優勝したり、筆者が属する銀座のパイプクラブでは94歳まで永世名人の地位にあった会員がいたり、95歳で例会に欠かさず出席する会員が在席していたりで、パイプ・スモーカーの間では老年パワーは極めて顕著である。 しかしこの広報では、ごく短く「パイプ・スモーカーで吸い込む喫煙者は稀である。」とする記述があり、これを見逃すと上のような結論になる。嫌煙・禁煙論者が繰り広げる論理には、この手の詭弁が多すぎはしまいか。 路上・海岸を含め、環境問題などとする詭弁で屋外禁煙を科するのは、海外では極めて稀である。膨大な量の排気ガス対策に手をこまねいていたのが、ハイブリッド車や電気自動車などが出てくるとタバコに矛先が向けられることになる。排気ガスに比べ極めて微々たる煙しかださないタバコ喫煙である。 しかし、自動車の環境問題は本当に解決するのだろうか?ハイブリッド車は、ガソリンを燃やした発電でモーターを回すだけである。電気自動車は、充電したバッテリーでモーターを回すのだが、日本の発電の60%以上は石油を燃やしているのである。核燃料発電の増設はママならず、発電用ダムの建設を止めさせてしまう政府を持つわが国で、完全なるクリーン・エア排出を標榜できるのはバイオ燃料車と燃料電池車のみであろう。しかしこれはまだ前途多難である。 筆者が知人にパイプ喫煙を薦めるときは、「少しは賢くなりたかったら、健康的なパイプを始めろ!」と云うことにしている。 |
2009/12/09 |