禁煙ファシズムにもの申す
雲造院杢杢愛煙信士のつぶやき8 |
雲造院杢杢愛煙信士
某年某日 「歳をとったら、たばこは止めるな」 ある有名大学の教授をしている親しいお医者さんから面白い話を伺った。 彼曰く「子供や若い人には喫煙は健康にあまり良くないということは、昔から経験的にわかっていた。だから抵抗力を備えた成人にならないと、たばこは吸ってはいけないと法律で決めた。しかしながら、高齢者の場合に喫煙が悪いかどうかは定かではない。ある老人ホームの入居者における喫煙者と非喫煙者の累積生存曲線のデータを見ると、65〜69歳の高齢者の場合、男女ともに喫煙者も非喫煙者も十年間の生存曲線に差は見られない」 たばこを吸い続けて65歳まで生きた人にとっては、喫煙は体に害を及ぼすほどのものではないというわけだ。さもあらん。 人の体は個人差が大きく、たばこに弱い人もいれば、そうでない人もいる。老齢になるまでたばこを吸い続けて健康だった人は、おそらく強い遺伝子の持ち主なのだろう。 たばこ好きの老人にとって、たばこを止めることが健康に良いとは決して言えない。 私が存じ上げている愛煙家のある著名な大学教授は、60歳を過ぎてから医者に脅されて不承不承ながら禁煙してしまった。 数ヵ月後、客員教授として招かれたアメリカの有名大学で講義中に脳卒中を起こして倒れてしまった。幸いにも講義していたその大学の病院に担ぎ込まれて、九死に一生を得たが、しばらく入院を余儀なくされた。退院後、リハビリに努めたが、かなり重い後遺症が残ってしまった。 ようやく帰国できるほどの状態になり、その病院のアメリカ人の担当医と話していたら「急に生活スタイルを変えるのは健康に良くない。あなたの場合は喫煙が生活の一部になっていた。だから、急な禁煙はストレスを高めて、脳や循環器に悪い影響を及ぼしたおそれがある。アメリカでは老人の喫煙者にタバコを無理にやめさせると、かえって病気を誘発するかもしれないと考えるのが常識で、長年の愛煙家に禁煙は勧めていない」と言われた。 彼がその医者に「日本ではしつこく老人に禁煙を強要する医者ばかりです」と答えたら、「日本のお医者さんは、考え方に柔軟性が乏しく、教条的体質なのですかね」と言って肩をすくめたそうだ。 数年前、大学を定年退官した彼は、現在、体は一部不自由ながらも悠々自適の生活を送っている。 もちろん、たばこは復活、思う存分好きなだけ吸って、毎日元気だそうだ。 某年某日 「JR東日本に執拗に抗議しよう!」 電車から降り、駅の入口あたりでパイプを吸っていたら、若い駅員が近寄ってきて「灰皿がある喫煙コーナーでお願いします」と言われた。 年齢相応に礼儀作法をわきまえているつもりの私だから、普段なら「はいはい。ご苦労さん」とにこやかに喫煙コーナーへ行くが、その日はみぞれ交じりの雨で風が強かった。 その場所から10mばかり先の喫煙場所は、屋根も囲いも無い吹きさらしだ。そんな状況にも拘わらず、「規則ですから、此処では喫煙はご遠慮下さい」と言われた。 カチンときた私は少し意地を張りたくなって「遠慮しないよ」と言って吸い続けた。 しばらくすると、彼は上司らしき駅員を連れて来て、その上司がまた同じ事をややきつい言い方で繰り返した。 そこで、私はスマホを取り出し、JR東日本のHPを探したら、下記の様に書いてあった。 禁煙・喫煙について 首都圏の全面禁煙エリア、6月1日より拡大に。 JR東日本では、受動喫煙の防止を望まれるお客さまのご意見や社会における禁煙志向の高まりを受け、受動喫煙の防止に取り組んでまいりました。 「ほらね。ご理解ご協力をとは書いてあるが、駅の入り口でたばこを吸っては駄目とはどこにも書いてないよ。そもそもJRの前身の国鉄時代の年金の穴埋めにはたばこ税が使われているのだから、喫煙者に対して敬意を払い、もっとサービスをするのが当たり前だろう」と至極当然のことを言って、やや年配の駅員を諭した。 そしたら「お客さま方より禁煙を望むご意見は多く寄せられますが、喫煙所を増やせとか喫煙環境を改善してくれとのご意見はほとんどありません」と言う。 「ほとんどない」とは見え透いたウソだろうが、愛煙家、喫煙者の声が小さかったのは間違いないだろう。 私が無視してパイプを吸っていたら、駅員たちの言動が次第に強圧的で粗暴になってきた。隠していた地金が出てきたわけだ。日頃は温厚な私も次第に腹が立ってきて、年甲斐も無く声を荒らげてしまった。そのやり取りをいちいち紹介するのは、この欄の品位を落とすから止めておく。 思うに、私達、良識ある愛煙家は、今まで礼儀を弁え過ぎていたし、おとなし過ぎた様だ。 これからは、嫌煙運動屋サンの嫌がらせには、倍返しで反撃し、JRをはじめとする公共交通機関による不当な禁煙の強制には、執拗に抗議していくべきだと思った。 昨年3月11日の東日本大震災の際に、JR東日本は帰宅難民になって行き場が無い利用客を夜の寒空の下、「社内規則」を盾に駅から強制的に排除して追い出した。 地域独占にあぐらをかき、潰れないことが保証されている企業の傲慢な体質が露呈したわけで、当時、石原慎太郎東京都知事は「反国民的企業だ」と激しく非難した。 慌てたJR東日本の社長は後日、石原都知事には謝罪に行ったと聞くが、利用客にはまったく何も謝罪していない。知らん顔だ。JR東日本とはそういう会社なのだ。 そんな会社が「ご理解とご協力を」と言ったところで、私は聞く耳持たぬ。 私は今、JR東日本に対して、強い義憤と怒りを感じている。 |
2012.02.15 |