パイプの愉しみ方

パイプの愉しみ方

六本木ローデシアン・パイプクラブ合宿記

六本木ローデシアンパイプクラブは昨年、創立30周年の節目の歳を迎えました。クラブの記念事業として、「創立30周年記念誌」を発行しました。我ながら素晴らしい出来栄えであると自画自賛しております。これはさておくとして、創立時に作成された立派な会則があります。そして、そのなかに「年に一回は旅行例会を実施する。」という条文があります。それに基づいて毎年、合宿と称し、東京近郊に宿泊先を見付けて一泊二日の懇親会を計画実行しております。今年は、湯河原に行こうということになりました。湯河原にした理由は特別ありません。御神輿を担いで、大勢の若者が「ワッショイ、ワッショイ」と掛け声を掛けながら、てんでバラバラに好き勝手な方向に力を出しているが、そのうち何となく行き付く処に到着する、というような形で決まりました。

こんな経緯で、平成19年10月13日合宿を実施いたしました。
計画当初は、青森での全国大会の前であった為、祝勝会になるか残念会になるか解らないが、兎に角全国大会参加の打ち上げを兼ねて実施しようということでした。

ところが、全国大会において図らずも「六本木R.P.C」が団体優勝をしました。さらに、個人優勝の栄冠を六本木R.P.Cの千田さんがもぎ取りました。しかも、常連の高橋さん(当クラブ事務局長)と小生が不幸にも参加できなかった大会において・・・。

今年の合宿は最終的に参加できたのは7人でした。団体優勝の立役者の一人である渡辺Hさんが参加できず残念でした。しかも、この合宿をセットした久保さんが直前に不参加となってしまい、極めて残念な状況ではありましたが、都合のついた7人で計画に沿って実行しました。

予定どおりに、湯河原の「千代田荘」に集合。人員機材異常なしを確認後、各人温泉に入り、団欒部屋に再集合。そこで、当クラブ例会規定による2グラムのタバコで恒例のロングスモーキング開始。結果は千田さんが52分吸って優勝。

やはり全日本チャンピオンは伊達でなかった。実力躍如。消えた直後に言った言葉がにくらしい。「早めに消さないと、皆さんの食事の時間に支障をきたすから・・・」。

そして、夕食・祝勝会。いろいろなことがあり大変盛り上がりました。

「優勝の千田さんのことが朝日新聞の東京版で、でっかい顔写真入りで掲載されたんだって」

「そういえば、今井さんが記事をメールで知らせてくれてたよな」

「この記事のおかげで、六本木クラブに入会申し込みをしてくれた人があったんだよ」

「個人優勝が六本木クラブから出たのは2人めで、1992年第19回水戸大会の渡辺純夫さん以来の快挙だな」

「わ!15年ぶりかよ、千田さんすごいね」

「団体優勝はどうなんだ?」

「これも、第19回水戸大会で優勝して以来の出来事だよ!」

「六本木クラブは長らく勝利の女神に見放されていたんだ。事務局長の高橋さんや田中が参加しないと、うちのクラブは好成績なんだよね」

言われた2人は・・・無言。

「団体優勝の回数もそうとうなもんだよ。俺たちって、すごいクラブに所属しているんだよな」

「名門クラブだよ」

酒も入り、話は尽きない。

明日早くに仕事があるからと、そそくさと奥さんに土産を買って帰る人がいました。それと入れ替わるように遅れて来た人がいました。その人曰く、飯食ってないから腹減った。何か頼むよ。よくしたもので、食堂で御櫃に残っていた御飯をお握りにしておいた気のきいた人が、それをサッと出した。

「これ喰えよ」

「ワッ旨い!ところで、例会に間に合わなかったけど、これから吸ってもいい?」

「もう終わった。これからじゃ時間的に遅いからダメ」

「じゃあ、明日もう一度やろうよ」

これは皆が無視。

何時もは、いびき部屋とか何とか部屋とか作って部屋割りを決めたが、今回は誰もが行儀のいいことをいうので、アミダくじで部屋割りを決めた。よって、大変なことになった。鼾をかかないと自己申告をした人がとんでもない鼾をかき、久しぶりだとかで明け方までタバコ談義で話しこむ人があり、真夜中に温泉にいくと起きだす人あり、皆が寝静まった頃、歯ブラシがないと部屋中を歩き回る人あり、さながらどこかの動物園の夜の檻のなかのような感じでした。

翌朝、今日はゴミを出す日だから早く家に帰る約束をしてきたのだといって一番に朝食を食べに行き、箸をつけて飯を口に運ぶところで入れ歯を忘れたことに気付き慌てて部屋に戻り、ゆっくり起床する予定の人の邪魔をする人がいました。

大変な一日の始まりになりました。チェックアウトして出発の段階になって、昨日吸わなかった人がいるので湯河原の海岸でパイプスモーキングしないかと提案する人がいました。なんとなく皆で海岸へ。でも、乗り込んだタクシーは禁煙車でした。妙なめぐり合わせ。着いた海岸には釣り人がたくさん。釣り人の様子を観察しながら、むくつけき男どもが一斉にパイプをくゆらす。今振り返ってみても、妙な風景。そんな感じなので、誰も写真をとらなかったようでした。

ところで、六本木クラブには絶大な巨人ファンがいまして、今年は巨人がリーグ優勝したのでこのまま帰るのはもったいないということになり、特に用事の無い者が横浜中華街近くの駅で途中下車して、巨人優勝祝賀昼食会。喫煙してよい店が意外と少ないのに驚きました。

そんなこんなで、今年の合宿も大変楽しく有意義に終了しました。

会長 田中 需