パイプの愉しみ方

パイプの愉しみ方

有思所

僕は、趣味を尋かれると「パイプ煙草です」と答える事にしている。
周知の如く、パイプは「hobby horse(揺木馬)」と呼ばれる。
馬たちが、静かに出番を厩舎で待っている姿は、実にかわいい。


我々は、禁煙ファシズムに対するレジンスタンスの義務を有する。
世間では、煙草中毒者と愛煙家を区分する必要があろう。
灰皿のない所で煙草を吸う人間、携帯用灰皿を持ち歩き、禁煙の場所を勝手に喫煙場所にに変えてしまう人間は、煙草中毒者である。
歩き煙草などはもっての外であろう。


愛煙家は、思考するために煙草を吸う、あるいは、仕事の見直しのため等に煙草を吸うのではなかろうか?
「ここで、一吸」という言葉は、いつから、お茶を飲む意に変わったのだろうか?


先進国ほど、パイプクラブの数が多いと聞く。
太古より、東西を問わず、煙草は生活必需品であり、貨幣として使用された形跡すらある。


僕は、西部劇のファンでもあるが、白人がインディアンと初めて友人となる時の儀式は、同じパイプで煙草を吸い、同じ杯を乾す事である。
特に、煙草はその煙が天に上り、神の前で友情を確認した事になる。


僕は、未だに初対面の人には、煙草を差し出す事にしている。

昔気質の愛煙家