次の三つの地名に共通する事項は何かお判りだろうか。
サラミス
プレヴェザ
ラタキア
ヒント１：何れも海の近辺の地名である。
ヒント２：更に挙げるならば、
レパント
ミッドウェー。

これでお判りであろう、有名な海戦の行われた場所である。就中、ラタキア沖海戦は海戦史に新時代を画したものとして特筆される。すなわち史上初のSSM(艦対艦ミサイル)搭載艇同士の戦闘で、相手レーダーをアルミ片等の反射体散布で騙すチャフィング戦法がこれも初めて実行された。結果は、ラタキアを母港とするシリア海軍のミサイルを蕩尽させたイスラエル海軍が圧勝したという。1973年の第4次中東戦争後は同種の海戦は起こっていないらしいので、今のところ空前絶後と言っても良い。

ラタキア葉は好悪の分かれる煙草だが、みだりにラタキア、ラタキアと連呼すると、聞く者によっては海軍関係者と誤解される虞れがある。更に戦闘において欺瞞技術を駆使する戦略家のイメージも拭えない。

スモーキングコンテストにおいてラタキアブレンドが使用される際には、史実に思いを馳せて敵の繰り出す様々なフェイントを十分警戒するのが歴史に学ぶ態度といえる。ボウルからアルミ粉を噴き上げる擬態に騙されてはいけない。