パイプの愉しみ方

パイプの愉しみ方

有思所(2)

与え給え 煙草の喫えるパイプを
そしてまた読むべき書を
さすれば、たとえその部屋は貧しくとも
その家は静かなる喜びに輝かむ。
アルフレット・ダンヒル(1924年)

以上は、愚生が聖書と崇める『バイプの本』(ダンヒル著)の序にある詩である。

現在、我々はジェームズI世以来の迫害を受けているといえよう。
嗜好品を制限する馬鹿げた試みは、過去においてことごとく失敗の歴史をたどっている。
酒、コーヒーそして煙草は、過去において貨幣として使用された形跡すらある。
愛煙家にとって、煙草は立派な生活必需品である。

煙草が生活必需品として世界に認められたのは、それがたとえ継続的に用いても、 その結果として、肉体的苦痛や他の疾病を伴わない唯一の麻酔剤であるためである。
煙草をパイプに詰め、ゆっくりくゆらすせ、好きな本を読む。
神の与えた至福のパーブが、自分の部屋に漂う。
何と素晴らしい時の流れであろうか。

閑話休題。
バイプ煙草に対する欲望は無限に膨らむ。
ホビィ・ホース(揺木馬)は、厩舎で出番を待つ。
後は、馬にまたがり、「夢は山野を駆けめぐる」。
ロッキング・チェアは買った。暖炉も注文した。
暖炉は手入れが大変で、すぐに飾りとなり果てたが・・・。

全ては、パイプ煙草を愛するがゆえである。
人生の孤独な旅人に、妻として、子として、友として仕えてくれる煙草を発明した人類は、本当に幸福者である。

昔気質の愛煙家