パイプの愉しみ方
アインシュタイン博士のパイプ 続々編
「アインシュタイン博士が愛用したパイプタバコの銘柄は?」
日本パイプクラブ連盟のホームページに掲載した「アインシュタイン博士のパイプ」について愛読者の方から寄せられた高度な質問のその2「アインシュタイン博士が愛用したパイプタバコの銘柄は?」についてできる範囲で調べました。
そこで、まず「 Albert Einstein favorite tobacco」で検索したら、様々な情報がありました。
博士がパイプ喫煙を始めたのはチューリッヒのスイス連邦工科大学の学生時代(1896年年〜1900年)か、遅くともベルンのスイス特許庁勤務の時代(1902年〜1909年)のようです。博士が輝かしい特殊相対性理論など4本の論文を発表したのが1905年ですから、人類の叡智である相対性理論はパイプ喫煙を嗜みながら思考実験で誕生したものであるのことは間違いありません。
ただ、残念ながら当時、博士が好んでいたパイプタバコの銘柄については、情報を探せませんでした。想像するに、デンマーク製やドイツ製のフレーバーの良く効いた強いタバコだったでしょう。もし、ご存知の方がいらっしゃったら、ご教示願えれば幸いです。
博士の好きなパイプタバコ銘柄について情報が多くあるのは、博士が米国に亡命して招かれたプリンストン高等研究所時代(1940年〜1955年)です。
情報の出典は明らかではありませんが、博士が愛用していた銘柄は、米国のタバコ製造会社「House of Windsor」(ウィンザー家)ブランドの「Revelation」(啓示)という伝統的なミクスチャータバコだったようです。
使用タバコ葉は、レッドバージニア葉、キューブカットのバーレー葉、ラタキア葉、ペリケ葉。リボン状にカットしてほのかに果物の香りを加えた比較的軽い味のタバコとありました。
特に高級なタバコ、珍しいタバコというわけではなく、1940年代から50年代にかけて、米国のドラッグストアで容易に購入できた製品のようです。
欧州のヘビースモーカーのパイプ愛煙家には、口腔喫煙ではなく、肺喫煙の方が珍しくありませんが、アインシュタイン博士も肺喫煙派だったので、晩年は比較的軽い味わいのタバコが好みになったのでしょう。
残念なことにオリジナルの「Revelation」(啓示)は既に生産中止となりましたが、「House of Windsor」(ウィンザー家)の伝統的なミクスチャーのレシピでこの「Revelation」(啓示)を復元したタバコを、米国のタバコ店から通信販売で購入できるようです。
アインシュタイン博士が晩年味わったタバコを是非喫ってみたいと思うパイプ党の方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
何か素晴らしい着想が芽生えるかもしれません。