パイプの愉しみ方

パイプの愉しみ方

煙草が喫える貴重な列車

岡山パイプクラブ 香山 雅美

久しぶりにサンライズ瀬戸に乗りました。

四国エリア・山陰エリアと東京を結ぶ寝台夜行特急で、「サンライズ瀬戸」と「サンライズ出雲」が、岡山で分割・併結して運転しています。
寝台は全て個室で、色んなタイプのA寝台、B寝台があります。運賃と指定席特急料金で利用できる「ノビノビ座席」やミニラウンジとシャワー室(有料)もあります。
上りが岡山駅22時34分発で東京駅着7時08分、下りは東京駅発21時50分で、岡山駅着は6時27分。
飛行機や新幹線とは比較にならないほど時間が掛りますが、夜寝ている内に岡山―東京間を往復出来る便利さがあるので昔は良く利用しました。


ところが最近は人気が凄くて、予約を取るのが難しいです。
特に喫煙寝台は、乗車日の1か月前の午前10時きっちりに予約を申し込んでも、切符が瞬間蒸発してしまって予約を取るのが本当に難しいです。 喫煙寝台は愛煙家の間で、プラチナチケットになっています。


そうです、この列車には喫煙寝台があるのです。
愛煙家にとって最高の列車なのです。


かつてはJRの全列車で煙草が自由に吸えました。当然でした。しかし、今は東京―岡山間の新幹線で申し訳程度に狭い喫煙部屋が3つあるだけ。
日本国有鉄道が民営化でJRになった時、国鉄が抱えていた膨大な赤字を補填処理するためにたばこ税が使われているのは皆さんもご承知でしょう。
だからJR各社は愛煙家には足を向けて眠れない深い恩義があるのです。JR社員が毎月、お給料を貰えるのも愛煙家あってのことです。
JR各社は愛煙家を大切にしなければならない筈なのに、恩を仇で返しているわけです。愛煙家に配慮して優しくするべきなのに、益々待遇を悪くしています。馬鹿馬鹿しい嫌煙運動に遠慮ばかりしています。


東北新幹線に至っては喫煙部屋もありません。情けない話です。
国鉄改革三羽烏として当時大活躍し、JR東日本の社長、会長を長く務め、一昨年にお亡くなりになった松田昌士さんは、風格ある真の国士であり、そして大の愛煙家でした。松田さんが経営トップのうちは、JR東日本も愛煙家を大切にしていましたが、その後の経営陣が小粒で情けないサラリーマン根性の連中ばかりに劣化した今は‥‥‥。
溜息が出ます。


さて、サンライズ瀬戸、出雲は予約が難しいだけでなく、料金も高いです。
A寝台1人用シングルデラックスは飛行機や新幹線の倍近い料金です。B寝台1人用シングルはややお手頃価格ですが、私はちょっと奮発してA寝台の予約をお勧めします。2階からの眺望が抜群で、「旅をしているな」という良い気分になれるからです。パイプを喫いながら車窓から眺める日本の景色は最高ですよ。
火曜〜木曜運行の列車は比較的予約が取りやすいそうです。
愛煙家の皆様、日本に残る数少ない夜行寝台特急に一度は乗ってみて、喫煙鉄道旅の素晴らしさを味わってみてください。