パイプの愉しみ方

パイプの愉しみ方

一足お先に利尻島、礼文島、宗谷海峡へパイプと葉巻を喫いに行きました。

愛煙家 Tesseract

 

令和6年5月、梅雨入りはまだまだ先だというのに、東京では急に陽気が強くなった日が何日か続きました。少し暑くなると人類がCO2など温暖化ガスを大量に排出した結果による地球温暖化の影響だと声高に言い立てる人達がいますが、私は疑問に思っています。
昔から新緑の緑が鮮やかに映える皐月の時期になると、時折急に暑くなったりしていたものです。

 

地球が一時的にやや温暖化していることは間違いないでしょうが、なぜCO2ばかりを悪者のように言い立てるのか?
 太陽活動の活発化による影響や、大宇宙から飛来して雲を造る宇宙線の影響をなぜ過小評価するのでしょうか?
 甚だ疑問です。例えば火星の南極と北極の氷河が温暖化で縮小傾向にあると、某科学雑誌に書いてありましたが、人類のCO2 排出は火星には無関係でしょう。科学的装いによる壮大な虚偽の捏造により、善良な人々を騙して自らに利権を誘導しようという狡猾な匂いを感じます。小さな嘘はすぐにバレるが、大きな嘘はバレにくいと昔から言いますよね。
 喫煙有害説とそっくりの構図です。

 

それはさておき、やや暑くなったので、涼しいところに行ってパイプ煙草と葉巻を喫いたくなりました。思い立ったら、考え無しにすぐ実行してしまうのが私の悪い癖です。上高地辺りにするか東北にするか、北海道にするか、一寸考えてどうせ行くなら思い切って北海道の一番北の辺りの利尻島、礼文島に行こうとほぼ即断即決。数年前の盛夏の時期に採れたての新鮮な生のエゾバフンウニを食べに行こうと個人旅行で両島を訪ね、とても気に入っていたからでしょう。 前回旅行では、東京・羽田空港から利尻空港への直行便を利用しましたが、今回は宗谷海峡も観てみたいと思い、たまたま旅行会社のツアーが利用できたので稚内経由で行くことにしました。

 

数日後の早朝、全日空機で新千歳空港へ。新千歳空港到着はまだ朝の時間帯でしたが、空港内のラーメン屋が一店開いていたのを見つけて、乗り継ぎ時間を利用してそそくさと朝食代わりのラーメン。稚内空港には午前11時過ぎに到着。稚内空港から稚内市内へは旅行社の迎えのバスで防潮堤など見物しながらJ R稚内駅前ターミナルへ。ここで各自昼食の後、しばし休憩。

 

北海道の稚内は5月後半でも外套を着込んで歩いている人ばかり。涼しいというより、寒いというのが実感です。外の気温計の表示は9℃。リュックから羽毛入りジャンパーを引っ張り出しました。外はあいにくの強い雨で、休憩時間を利用しての市街地散策はできず、建物の庇を借りて、パイプ煙草をじっくり味わい休憩時間を潰しました。

 

稚内港から礼文島香深(かふか)港までのフェリーの所要時間は約2時間。旅行社が用意してくれた切符は一等船室で快適でした。海があまりシケていなかったので、海上でパイプを優雅に一服と思って外甲板の喫煙所に行きましたが、向かい風の強風でなかなか煙草に着火できず。長年磨いた着火技術を活かしてようやく着火に成功したものの風が冷たくて長居は無用、5分足らずでほうほうの体で船室に。寒さを我慢してパイプ煙草を喫っても、やはり美味しくはありません。

 

 香深港から宗谷バスで島内観光。スコトン岬、澄海岬、久種湖、高山植物園などを駆け足で巡りました。礼文島は人口約2千人。強風と寒冷な気候のため低木と草原ばかりの島で、夏季の高山植物観察が観光の目玉です。海岸沿いの道に沿ってポツリポツリと人家が点在する風景はまさに寒村。「はるばる北の辺境に来たな」という実感がこみあげてきました。豊かな漁業資源と夏季の観光客で島民の方々の生活が成り立っている島ですので、都会でぬくぬくと過ごしている私ですが、せいぜい観光でしばしば訪れて島にお金を落として応援してあげなくてはという気持ちに自然になります。

 

 夕刻、宿に到着。温泉に入り、豪華な夕食後に1階のゆったりした喫煙所でパイプを一服。冷たい強風が吹き荒れて屋外での喫煙はやめました。宿の受付の可愛らしいお嬢さんが色白のスラブ系風貌の外国人でしたので声を掛けたら、ポーランド人でポズナン出身だとか。ポズナンは2013年10月にパイプスモーキングのワールドカップが開催され、今年2024年も10月に世界選手権大会が開催されます。まさか礼文島でポズナン出身の方と巡り逢うとは、世の中意外に狭いものです。

 

翌日は早朝起床。利尻島行きフェリーが午後出港する前の午前中に香深港近くの丘陵の上にある桃岩展望台まで高山植物を観察しながらの草原トレッキング。前日よりもさらに激しい強風で帽子や身体が飛ばされないように少しずつ丘登りするのが精一杯。花が咲き始めた高山植物の観察どころではありませんでした。とはいえ強風で靄や霧が吹き飛ばされて視界が素晴らしく海を隔てた利尻富士がクッキリ見えました。前回訪問時は無風で桃岩展望台まで登って一人ゆっくり景色を眺めながらパイプ喫煙を楽しみましたが、今回は強風で断念。トレッキング後は、港の食堂でウニ丼に舌鼓。

 

 

 礼文島香深港から利尻島鴛泊(おしどまり)港までフェリーで45分。昼食は港の食堂で絶品の昆布ラーメンを頂くつもりでしたが、店の開店は6月からの夏季のみとのこと。残念。バスで姫沼、オタトマリ沼、仙法志御崎公園など利尻島観光の定番コースを巡りました。前回訪ねた際に買った利尻根昆布などが素晴らしかったので、昆布専門店でリュック一杯購入。これで数年間は楽しめそうです。

 

もちろん行った先々の観光スポットでパイプ喫煙。駆け足の観光バス旅行でしたので、じっくり腰を落ち着けて喫えなかったものの、利尻富士を眺めながらのパイプの一服は格別でした。

 

 

翌日は稚内に渡って宗谷岬などを観光。稚内市の中心商店街はシャッター商店街になってしまって寂れていましたが、目に着いたのは商店街の各店の看板の併記がロシア語で大書してあったこと。日本なのに異国情緒をたっぷり味わえます。ウクライナ戦争でロシアとの交流が閉ざされているようで、ロシア人の姿を見ることはありませんでした。

 

宗谷岬で南樺太を遠望しながらパイプと葉巻をゆっくり楽しむつもりでしたが、強風に災いされて寒いので、それどころではなく、ちょこっと一服だけ。礼文、利尻、宗谷岬の観光自体は十分楽しめましたが、涼しいところでタバコを楽しむという私の目的からすると一足先に5月に行ったのは失敗でした。

やはり北の辺境は夏の盛りに訪問するのが一番だと痛感しました。

 

終わり