パイプの愉しみ方

パイプの愉しみ方

天地有用

丹波 作造

煙草の値上げを前にして、大缶のパイプ煙草を積上げて悦に入っているスモーカーも多かろう。しかし、一旦開けたあとは乾くのを防ぐために、蜜柑の皮だ、保湿剤だ、煙草ジャーを買占める等と、気苦労の種になりかねない。ここで提案するのは、分子運動力学の知見に基き、水蒸気分子の自由運動量を煙草自身の遮蔽効果を利用することにより減殺し、何ら装置を用いず保湿効果を改善する画期的な方法である。

 閑話休題。パイプ数が10本を超える辺りからその保管は悩みの種になる。床に転がしておいて踏み折ることもしばしば、極端な場合は峠道でシートから転がり落ちたパイプがブレーキペダルに挟まり崖下に転落した例もあるやに聞く。かといって、いちいちパイプ立を用意するのも面倒という方面に、百円玉数個でできる収納法を紹介する。百円ショップ等で台所収納用金網2枚と連結金具を購入し、合わせて結合し壁に立てかけマウスピースのリップを引っ掛けるだけである(写真参照)。全体の重心を考慮し、下辺を壁から離す距離、重いパイプはできるだけ下に等、若干の研究・配慮が必要で、最初から個人作家物を掛けて傷付けることのないよう自己責任でお願いする。ステムが当たる針金を予め曲げて置くと安定性が増すようだが、シェイプによってはサドル部分が針金と干渉して収納に向かないかもしれない(例えばラバット)。実は、金網1枚でも掛けることは可能だが、パイプが網に接して本数が稼げない。2枚にすれば、50本は楽に行ける。これで、コレクションの中からその時の気分に最適な1本を取り出し、適度な湿度の煙草を充填...残るのはすぐに多量になりがちなタンパーを如何に整理し選び出すかという難題である。とりあえず筆者は有り合わせのバケツに放り込んでいるが、優れたタンパー収納装置等の解決方法があれば是非お教え戴きたい。

本題復帰。開缶した煙草は蓋側を下にして置く、これだけである。効果は顕著だが、蓋閉まりの確認と、開けるときに蓋についた葉を叩いて中に落とさないと床が汚れるのでご注意。

[編集部注:ペンネームからも分かる通り、筆者はタンパー作家を勝手に自称している]