パイプ座談会
パイプの葉 座談会 その2
梶浦: まあ、パイプ入門の人にとって、どんなことが問題になるかというと、値段も一つの選択要素なんだよね。
外川: (大きな声で)千円以内。
梶浦: 千円以内というと、パウチの袋に入っているやつね。
外川: それからもう一つ。最初に始める頃は、周りの人が気になるよね。そうすると周りの人に「嫌な臭いね」と言われると、それだけで気持ち的に挫折してしちゃうわけだ。
Q子: それは言えますね。(と大きく頷く)
外川: だから、アンフォーラなんかは甘いわけ。女の子に言わせると「甘フォーラ」だからね。(と、駄洒落) アンフォーラだけど、読み方によっては「甘フォーラなんですよ」(しつこく念を押す) 「いい匂いね」と女の子に言われると、何となく鼻が高くなってパイプを止めなくて済む。それは一つでかいことかもしれない。
Q子: そうですね。
梶浦: そういった意味では、あれ、スタンウェルか? 何だっけ? 名前、忘れちゃった。あの黄色いパッケージの…………………。
梶浦: (しばしの間を経て)スウィートダブリン!!!(思い出した)
松尾: ああ、スウィートダブリン。
外川: スウィートダブリン? あれは全然違う。別だよ。スウィートダブリンは一社だよ。スウィートダブリンというのは、他の煙草と違って特に特長がない煙草なんですよ。甘くてね。
松尾: 実は、僕が最初に吸った葉っぱはスウィートダブリンなんですよ。
外川: スウィートダブリンだから、うまくいったということはあるよ。
梶浦: 入門編だからね。
外川: 止めなくて済んだからね。実は、最初に強い煙草を吸うと、嫌になっちゃうんですよ。スウィートダブリンは凄く柔らかいから、違和感がなく、すーっとパイプの世界に入れるのね。
外川: それからマクバーレン系は大丈夫。これは吸いやすい。
Q子: 吸いやすいですね。
外川: これは柑橘系だから。柑橘というのはオレンジの香りね。オレンジの香りがほのかに漂うというのが、マクバーレン系の基本だね。
森谷: そう。煙草本来の香りで、しかも誰にでも気持ちが良いように、熟成させているんだろうかね。
梶浦: マクバーレンはそうしているの?
Q子: ふーん。マクバーレンは何を吸っても、初心者には結構、大丈夫ですよね。
外川: だから、初心者はパイプの道に入るときに、あまり無理しないで、自分なりにエエ格好しないで、一般的にいいと言われているところから選んでいくのが一番いいと思うわけ。
森谷: うん。だから結構、最初に何の葉を選ぶかどうかで、運不運はあるよね。
梶浦: 今、名前を挙げてきただけでも五銘柄くらいになるけど。 ところで日本で売られているパイプ煙草の葉っぱは300種類くらいあるんじゃないかな。スモーキングコレクションのカタログに出てくる。
Q子: そんなにあるんですか?
森谷: 300種類じゃ済まないと思うよ。煙草レビューというホームページがあるんですよ。(http://www.tobaccoreviews.com/)煙草の味をどうこういうやつね。そこで300銘柄くらいあって、そこにないのもたくさんあるからね。
梶浦: スモーキングコレクションのカタログにずらっとリストが載っているんだよ。
森谷: (披露して)持ってきた。本として煙草の味がどれだ、と書いてあるのはこれしかないんですよ。これは10数年前のものだけどね。これでも二、三百ある。 有名なパイプ大全に載っているけど、もう無くなった銘柄もあるしね。(司会のQ子に)これ、持ってる?貸してあげましょう?
梶浦: 東京では売っていないよ。 (煙草の葉関係の絶版本、稀覯本の入手法の話となり、やや脱線気味になる)
外川: それで最初はね、今言ったような中から2,3袋買ってくることね。マクバーレン系が一つね。それからアンフォーラと、何だっけ?
梶浦: キャプテンブラック?
外川: 違う。違う。スウィートダブリン。キャプテンブラックでもいいけどね。
松尾: 僕はやはり、手に入りやすいのがラールセンのマスターブレンド。
外川: あれ、高いじゃん。最初にやるときは800円台で、千円札でお釣りが来ないとね。
松尾: あれ、高かったっけ?
外川: 千円を超えてるよ。
森谷: 私は最初に吸ったのは、ロイヤルヨット。(と流れに関係なく一言)
外川: その中から自分の好みを探すのが一番簡単かな、と思うわけ。
森谷: 勿体ないから、まずくても吸った。そういうこともあるよね。
外川: そうそう。
座談会はようやく佳境に入り、初心者向けの煙草の葉としてお奨めなのがようやく固まってきたようです。この後は、葉っぱの保管法などの実践に益々蘊蓄が冴え渡ります。続きをご期待下さい。