パイプ座談会
パイプの葉 座談会 その5
梶浦: 入門者の中には、パイプの葉を色々と楽しもうと考えている人もおられるだろうから、もう少し値段が高い葉っぱの話に移ろうか。色んなメーカーがあるわけだけど、缶入りのやつが主として1,500円前後ものであるわけだけど、高いのだと50グラムで2,000円ぐらいが一番高いかな?
外川: それ以上の値段のは特殊なやつだからね。
Q子: 大体50グラムで1,500円から2,000円前後のもので、お話して下さい。
梶浦: そのクラスの値段の葉っぱは、やっぱり葉っぱをよく選んでいるし、香料を色々と工夫している。
外川: 2,000円は高い方ですよ。だから千円あたりでどうか、と思えばいい。
梶浦: そういう領域へ進んでいくと色んな世界のものがあるわけだ。
Q子: その価格帯は、やはり缶入りのものが、パウチものよりは数が多いですよね。
森谷: そうかな?
梶浦: 多い。
外川: 多いだろうね。輸入ものが多いから、缶の方が輸入しやすいからね。
森谷: 外国のものに缶が多いのかどうかは、ちょっと現地に行ってみれば、わからないよ。
松尾: 外国ではパウチものの方が多い感じだけど。
外川: 売れるからね。パウチものの方が、値段が安いので売れるからね。
Q子: パウチも缶も、この状態で輸入してくるんですか?
外川: パウチの場合は、JTなんかの場合は自分で作っていたから、今は、海外で作らせているんじゃないかな?
梶浦: それは輸入会社に確かめた方がいいかな。パッケージはこうなっているが、その上にシールを貼っているのだろうけど。
外川: あの野暮なシールは輸入してから貼るんですよ。貼る業者がいるんじゃないかな。
梶浦: 話を元に戻すけど、缶入りの場合は、特徴的なのは、やはりコクのある煙草というか、悪い表現をすれば臭い煙草だよ。
Q子: ラタキアといったら、そういう譬えになりますかね。
森谷: 正露丸みたいな匂いね。良く言われるよ。
松尾: そういう風に言うと嫌がられるかもしれないけど。要するに煙草の葉の薫製ですよね。
森谷: 魚でいうとクサヤかな。
梶浦: それもまた悪い表現だな。
Q子: ハハハハ
森谷: クサヤだと癖になる。
梶浦: 非常に薫り豊かだよね。
松尾: だからこそ、パイプに嵌ると、とても良い香りとなる。
森谷: それと、ブレンドに微量入っている調味料の役目もあるしね。
Q子: ラタキアというのは、煙草の葉っぱの種類じゃなくて……
外川: 加工したもの。加工法ね。
梶浦: ラタキアはシリアだよね。
松尾: そうそう。
梶浦: シリアの北部の奥地でね、煙草を薫製にしたようなのが偶然見つかったらしいんだ。それを吸ってみたら美味しかった。
松尾: 少々混ぜてみたら美味しかった。そのままじゃきついね。
梶浦: 脱線するけど、今はラタキアで作っている訳じゃなくて(※)、イタリア製のラタキアが多いみたいだよ。
※後で専門家に伺ったら、今でもラタキアで、作っているだろうとのことです。(Q子のミニ蘊蓄)
松尾: もともとシリアのラタキアというところで作っていたから、ラタキアね。
森谷: この頃、ラタキアが少なくなっているでしょ?
梶浦: だから、いいラタキアが少なくなっている。イタリア製が多いと聞いたね。
外川: いいラタキアを買い占めた業者がいるらしいね。
Q子: そのシリアのラタキアを?
外川: 何だか知らないけどね。流通の量が少ないからね。
梶浦: 自然の生成物じゃないからね。加工品だからね。
Q子: ラタキア種という言い方でいいのですか?
森谷: ラタキアはこういう煙草で、葉っぱはオリエンタルじゃないかな。それを燻して発酵させて、加工も含めてラタキアだね。
外川: 詳しいことは、「パイプ大全」に書いてある。JPSCの関口世話人が書いている。葉っぱの場合は、ピュアな葉っぱを切るやつと加工するやつと2種類ある。だけど、こういう話を初心者にしても無意味だと思う。
森谷: そうそう。葉っぱには、色々あると分かればいい。葉っぱそのもののやつと、ちょっと加工して美味しいやつと、それから香料を入れて美味しいやつと。
外川: だから後は、俺たちが吸っている葉っぱの話をすれば、この座談会はおしまいだよ。
森谷: 誰もが美味しい葉っぱの銘柄というのは、ちょっと言えないな。
外川、梶浦: そういうのはあり得ない。(同時に大声で)
●高級なパイプ煙草葉の話から、自然とラタキア論議に移りましたが、誰もが美味しい葉っぱの銘柄は存在しない、あくまで個人の趣味趣向の問題ということでJPSCのうるさ型連は一致しました。次回は最終回、それぞれのお好みの高級な葉っぱの話を挙げて貰って、お開きと致します。