紫煙を楽しむ

紫煙を楽しむ

川原遊酔(かわはらゆうすい)の「紫煙を楽しむ」

喫煙カフェ

最近、駅構内禁煙、職場禁煙、歩行中禁煙、飲食店禁煙など、公共の場の禁煙化が急速に進み、また、家庭内でも喫煙しづらい雰囲気が強くなってきていることから、喫煙できる空間が、ほとんどなくなってきており、愛煙家は、文字通り、「肩身の狭い立場」に追いやられています。愛煙家としては、どこで吸ったらよいのかと戸惑うばかりです。

このような風潮を敏感に感じとって、ビジネスとして、喫煙空間を売り物にしたカフェが出現しました。その名も、「カフェトバコ」(写真参照)。早速、筆者も実地検証に行ってきました。

「カフェトバコ」の場所は、JR新橋駅烏森口を出て直ぐの所(〒105-0004 港区新橋3-21-12I.S.ビル 1F-3F TEL: 03-6402-5286)です。本年の4月にオープンし、店内は全席喫煙OKです。筆者は、夕刻に入店して、ウィスキーの水割りを注文して、3Fの席に着いてパイプたばこやシガレットを盛大に吸いました。店内は満席ではありませんでしたが、お客は、そこそこの入りでした。

一昔前を考えてみると、喫茶店内は、全席喫煙OKだったはずです。しかしながら、近年では、「スターバックス」のように、店内を完全禁煙にしたカフェも出現しており、また、店内を分煙にしているカフェも多い現状ですから、「カフェトバコ」のように、全席喫煙OKのカフェは、肩身の狭い愛煙家のニーズを踏まえたものと言えます。

喫煙中に、他のお客に気を使わなくてよいので、心から喫煙をエンジョイできるのは有難い限りです。

最近では、禁煙の焼き鳥屋とか、禁煙の鰻屋とかもありますが、そもそも焼き鳥や鰻を焼く時の煙で燻される環境の店にもかかわらず、たばこの煙だけを拒否するという発想は理解に苦しみます。

「カフェトバコ」は、東京駅付近にもあるようですが、今後、この種の「全席喫煙可」の飲食店が新たにオープンする傾向にあると思われます。また、「プロント」においては分煙でありながら、喫煙席の数を増やす傾向にあるようです。京急羽田空港駅店(第二ターミナル口)では大きなシガーのイラストと共に「喫煙席あります」と手書きの黒板があり、京浜急行第1旅客ターミナル口にある全面禁煙の「スターバックス」とは好対照です。愛煙家諸氏は、できるだけ利用して、このような店がつぶれないように支援しましょう。

川原遊酔(かわはらゆうすい)