禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

地球温暖化論と嫌煙運動
愛煙幸兵衛

昨年3月の東日本大震災と福島原発事故の頃から、寄る年波には勝てず、体調を壊して一年間ほど休筆していましたが、ようやく体調も恢復して元気になりましたので、老躯に鞭打ってまたぞろ執筆を開始致します。

このところ奇奇怪怪に思うのは、新聞・雑誌・テレビ等で「地球温暖化が進んでいるから二酸化炭素CO2を削減すべし」という主張が、トンと無くなったことです。

昨年の福島原発事故までは、化石燃料の消費を抑制してCO2を削減しなければ、地球は数十年後には、人類が住めなくなる灼熱の惑星になってしまうという主張ばかりがマスコミを賑わしておりました。この地球温暖化仮説を立証するために様々な「権威ある研究機関による最新の科学的な研究や統計」がもっともらしくマスコミに載ったものです。読者の皆様も記憶に新しいところかと思います。

その結果、化石燃料の消費を抑制するには原子力発電を推進するのが一番だという主張が「正論」として様々なマスコミに登場しました。地球温暖化を疑う者は、「非国民」ならぬ「非地球人」のレッテルを貼られてしまうような風潮でした。

私は地球温暖化論については、かねがね疑問を持っておりました。思い起こせば、数十年前の学説は「地球は現在、氷河期と氷河期の間の第四間氷期にあり、温暖な気候が続いているが、近い将来に第五氷河期が到来する」というのが主流でした。

当時は、こうした主張が科学雑誌などに大きく取り上げられておりましたから、最近の180度正反対の主張を読むにつけ「何らかの政治的な思惑や謀略が背景にあって地球温暖化論が出てきたのだろう」くらいの受け止め方でした。

しかし、CO2排出権ビジネスという珍妙なものまで登場し、大手商社がCO2排出権を金銭で売買取引するという話が経済新聞のトップ記事になったりすると、「これは怪しい。危ない話だな」という印象がぬぐえなくなりました。

原発が福島の事故で危ないとなると、巨大な電力需要を賄うには当座も今後も火力発電しかありません。太陽光、風力などのいずれ自然エネルギーで電力需要を賄えれば話が簡単ですが、現実には無理でしょう。

現在、ほとんどの原発が停止状態にあるので、我が国の電力の火力発電依存度は80%を超しています。CO2がどんどん排出されています。地球温暖化が加速しますよ。それで良いんですか?

地球温暖化論を声高らかに唱えてきた皆様。なぜ今、CO2を削減するために火力発電を抑制すべきだと言わないのですか?

戦時中から昭和30年代頃までの昔懐かしい生活に戻れば、電力はそんなに要らないでしょう。ただし我が国の産業は壊滅し、世界の最貧国に落ちてしまい、失業者があふれることにあるでしょうが……。

はっきり言いましょう。地球温暖化論は、本当に科学で証明された予想ではなく、大国の政治の思惑が背景にある政治運動なのではありませんか。政治プロパガンダを信じ込んでおられたのではありませんか?

たばこ有害説も政治プロパガンダという点で、よく似ています。

喫煙が成長期の子供にとって有益とは思えません。おそらく有害でしょう。だから未成年者はたばこを吸わないように法律で義務付けています。

しかし、大人にとってはたばこは嗜好品であり、吸おうと吸うまいと当人の勝手、自由です。ちなみに私は70年間以上、パイプたばこを愛喫して参りましたが、論文原稿執筆などの知的活動には不可欠で、卒寿を越えた今ではボケ防止の特効薬だと感謝しております。

中にはたばこの煙が苦手な方や、体質に合わない方もいらっしゃるでしょう。だからと言って一律にたばこが人間に有害だと決め付けるのは不遜の限りでしょう。たばこ有害説を立証するために凡百の詰まらぬクズ学者どもが様々な研究をしているようですが、たばこと癌の因果関係を立証できた学者や研究者は世界に一人としていないではありませんか。

嫌煙者の皆様方。「それはあんたの不勉強。いるよ」とおっしゃるなら、ぜひその研究を愚生にご教示下さい。もしそういう研究が一つでもあるのなら、私は自らの不明を恥じて、自説と主張を撤回し、嫌煙の皆様方に心より陳謝いたします。

話が横の方に行ってしまいました。たばこと癌の関係に戻ります。たばこと癌の関係の研究で言えば、私の知る限りでは、相関関係を取沙汰する疫学レベルの研究とまりでしょう。それを因果関係が立証されたみたいに言いまくるのは、何だか地球温暖化論に似ておりますな。

たばこが癌の危険因子の一つであることは私も否定しません。しかしそうだとしても、もっと有害な危険因子が世の中にはそれこそ山のようにあります。判りやすい例を挙げれば自動車の排気ガス、工場の煤煙はどうでしょうか。こうした煙を吸えば人間は直ちに死ぬか、呼吸器がやられ重篤な症状に陥ります。

自動車の排気ガスと癌の関係、工場の煤煙と癌の関係。こうした研究はどなたも取り組んでおられませんな。なぜでしょうか。吸えばすぐに死んでしまうから研究の対象にしないのでしょうか?それともどこからも研究補助金が出ないからでしょうか?

癌の危険因子といえば、塩や砂糖もそうです。長年、取り続ければ、必ず癌との相関関係あることが「証明」できるでしょう。
副流煙と癌との関係が最近、急に取沙汰されましたが、一言で言えば噴飯ものです。新聞等にたばこの副流煙の有害性が立証されたというような嫌煙大政翼賛会のプロパガンダ記事を時々、拝見しますが、記者の諸君はそうした「研究」の内容を理解して執筆なさっているのでしょうか?

こうした「研究」の内容を調べてみると、動物実験の場合は、モルモットを檻の中に閉じ込めて呼吸困難なほどの高濃度のたばこの煙を何ヶ月間も吸わせて、癌が発生するかどうかを調べている。呼吸困難なほどのたばこの煙の中に長期間曝されていればストレスで癌になるでしょう。

あるいは副流煙が大気中に一切拡散しないという前提で「有害性」を云々している研究もあります。煙が大気中に拡散しないという、物理現象を無視した「研究」。まともじゃない。だから噴飯ものと申し上げているのです。

地球温暖化論と、たばこ有害論に基づく嫌煙運動。

やっぱり似ておりますな。

2012.04.11