禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

雲造院杢杢愛煙信士のつぶやき16
雲造院杢杢愛煙信士

某月某日

ディーゼル排気 発がん性認める

親しくなった禁煙運動家の歯医者センセイが共同通信ジュネーブ発の記事が掲載されている新聞を、我が家の紫煙朦朦たる遊び部屋にわざわざ持って来て下さった。

WHO傘下の国際癌研究所(IARC)が6月12日、「1998年に発がん物質2A等級に分類したディーゼルエンジンの排気ガスを、1等級に上方修正する」と発表したという記事だ。

IARCは、「実務グループが科学的証拠を検討して満場一致でディーゼル排気ガスの等級を上げた」とし、「ディーゼル排気ガスが肺がんの原因になり、膀胱がんの発病危険を高めることと関連があると結論付けた」としている。

この結果、世界保健機関(WHO)が指定する最高危険水準の「1等級発がん物質」として、たばこ、石綿、アルコールと共にディーゼルエンジンの排気ガスが追加されたとしていた。

嫌煙教団の構成員の歯科医センセイは、「ええ! 肺がんの原因となるのは、たばこ以外にも3種類もあるんだ」と驚いて、念のために嫌煙教団のとてつもなく偉いヒトに問い合わせたら、そのとてつもなく偉いヒトは「たばこが肺がんの最も危険な原因であることに間違い無い」と断言なさったそうだ。さすがに嫌煙教団だけのことはある。その固い信念に本当に敬服するしかないね。

禁煙歯医者センセイは、「WHOはたばこだけが悪いと言っていると思っていたが、肺がんの原因となる物質が他にもあったのですね」と言うので、「君、現状認識がまるで出来ていないよ」と、IARCのウェブサイトを開いて説明した。

IARCによると、
  人間に対する発ガン性が認められる、化学物質、混合物、環境分類の項目として
  グループ1:発がん性がある 107種類
  グループ2A:おそらく発がん性がある 63種類
  グループ2B:発がん性があるかもしれない 271種類
  グループ3:発がん性を分類できない 509種類
  グループ4:おそらく発がん性はない 1種類

要するに、たばこは107種類の発癌性があるといわれる物質のひとつに過ぎないということだ。

読者の誤解があるといけないので、念のために言っておくが、私はたばこに発癌性が無いなどとは言っていない。たばこと癌発生の因果関係は何も立証されていないが、おそらく何らかの発癌性はあるだろう。酒や塩、砂糖などと同じだ。愛煙家はそのリスクを承知で、たばこを愛し、楽しんでいるのだ。

一方、嫌煙団体の主張は針小棒大の誇大宣伝である。彼らは自動車の排気ガスや工場の煤煙などの大気汚染は等閑視してたばこの危険性だけをことさらに言い募る。これはおかしい。副流煙に発癌性があるというのはトンデモ説だ。嫌煙団体は、たばこと喫煙者憎しのあまり、そういうウソを言い続けている。今ではマスコミ、公共機関まで、ウソに迎合するようになった。だから愛煙家の端くれとして「それは違うでしょう」と小さな声でつぶやかざるを得ないのだ。「ウソを撒き散らして、一般の方々を騙すのはやめなさい」と。

国際機関の内情に詳しい愛煙幸兵衛先生から聞いた話だが、WHOの元事務局長のブルントラント女史は、狂信的なたばこ嫌いで、事務局長の任期中、たばこを徹底的に目の敵にした。WHOといえば「禁煙」「禁煙」「禁煙」の何とかの一つ覚えだったのはご存知の通りだ。

WHO職員が「WHOはたばこ狩りを目的に作られた国際機関ではない。感染症の予防などWHO本来の職務に尽力すべきだ」と正論を唱えると、このブルントラント女史は激昂し、彼女の方針に異論を唱える職員には人事報復をちらつかせて押さえ込む恐怖政治を敷いたそうだ。

ところが、事務局長が交代したら、WHOが行動すべきことは他にあるとして、ブルントラント流のたばこだけを目の敵にする異様な方針は転換され、WHOはかなり正常化した。しかし、一度決定された反喫煙の流れが惰性として続き、現状に至っているとのことだ。

私が「共同通信発の記事も説明不足だよね。107種類もあるのに、あの記事では読者は原因物質は4種類しか無い様に思うよね」というと禁煙歯医者センセイも「私も、そんなにたくさんの原因物質があったとは今まで知らなかった」と言っていた。素直な方だ。

IARCに興味が有る方は下記のHPを覗いてみて下さい。

http://monographs.iarc.fr/


某月某日

何の為に?

私の知り合いのお医者さんが、「こないだ、変わった人が来たよ」と教えてくれた。

その人に、「もうすぐ定年なので、100歳まで生きられる方法を教えて欲しい」と尋ねられたそうだ。

そこでお医者さんは男に質問をした。

「お酒や煙草は嗜みますか?」
「いいえ、全く。身体に悪いことはしません」

「賭け事や女性と遊んだりはしますか?」
「いいえ。ギャンブルは嫌いです。僕は結婚もしていませんし、そういうこともしたことはありません」

「何か趣味とか打ち込んでいる事はありますか?」
「特に何も有りません」

「美味しいものを食べるとか、旅行に行くのは好きでしょう」
「別に、あまり興味もありません」

思わずお医者さんは「う〜ん……、いったい、何の為に100歳まで長生きしたいんですか?」と尋ねた。

「別に……。ただ100歳まで生きたいだけです」

まるでお笑い小噺ですな。

目的もなくただ生きているよりは、人生を楽しんだ方が良いと私は思うが、100歳まで生きることだけが目標とは……。

いやはや本当に変わった人がいるものだ、と思って、この話を友人にしたら「結構、そういう人は多いぜ」という。

そういう価値観の人に限って、えてして「身体に悪いから、たばこを喫うな」と他人に要らぬ説教をする。

相手にしないことです。

2012.07.09