禁煙ファシズムにもの申す

禁煙ファシズムにもの申す

雲造院杢杢愛煙信士のつぶやき21
雲造院杢杢愛煙信士

某月某日

吉田茂に葉巻を吸わせちゃいけないの?

焦土と化した日本を率いた宰相吉田茂。

誰もが誇りを失った占領下、ただ一人、最高権力者ダグラス・マッカーサーと対等にわたりあい、日本を再生に導いた男吉田茂の激動の後半生を渡辺謙が演じドラマに仕立ててNHKが放送した。

土曜ドラマスペシャル「 負けて、勝つ 〜戦後を創った男・吉田茂〜 」がそれだ。

身長185cmの渡辺が、155cmの吉田を演じることには違和感があったし、そもそも吉田茂に対する評価が今様の弛緩した平和主義礼賛の視点からで甘過ぎる。内容面でも、これはどうかと思えるシーンも多々あった。しかし、番組の冒頭に「これは事実に基づいたフィクションである」と断りがあったので、揚げ足取りのような文句は言わないでおこう。

NHKは平成の御世になった頃からか、サヨク自虐史観に脳を侵されたと思しき奇怪なドラマや特番などを臆面も無く放送するようになってしまった。今回の土曜ドラマスペシャルは、当時を知る方が多くご存命なので、さすがにそれなりにまともに作っていた。噴飯ものの見本ともいうべき韓流荒唐無稽ドラマなどとは、やはり違うのである。

「戦争に負けて、外交で勝った歴史がある」――国を立て直す自信を問われて吉田茂が語った言葉である。決して諦めない、不撓不屈の精神で戦後日本を復興に導いたリーダーの苦難の舵取りを克明に描くことで、大震災からの復興に向かうこれからの日本への力強いエールとしたいというのが、番組作りの狙いの一つだそうだが、渡辺謙が一生懸命に演じていて、フィクションのドラマとしては、ほぼ及第点をあげても良いと思う。

吉田茂を占領軍最高司令官マッカーサーにも臆することなく対峙した人物として描くために有名な逸話も随所に盛り込まれていた。例えば、戦後の物資不足の中、葉巻を愛好する吉田に、フィリピンにタバコ畑を所有していたマッカーサーが葉巻を進呈しようとしたが、「私はハバナ産しか嗜みませんので」と慇懃無礼に断った有名な場面では思わずにんまりしてしまった。

葉巻をこよなく愛したことは周知の事実だから、登場シーンの殆どで葉巻を燻らせていた。(敢えて些細なことを指摘すれば、葉巻のサイズがいささか違っていた感じがするが……)

気分良く、楽しい時はゆったりと吹かし、イライラしたり考えがまとまらない時は、忙しく煙を上げていた。吉田を象徴する小道具として葉巻は上手く使われていたと思う。

ところが、ドラマを視聴して、「再放送やオンデマンド放送では、葉巻を吹かすシーンを減らせ」と申し入れた連中がいたそうだ。

云わずと知れた過激な嫌煙屋サンどもだ。

吉田茂が葉巻を吹かさなかったら、吉田茂じゃない別人だと思うんですがね。違いますか?

ドラマでは、閣議などの多くの場面で吉田のほかにも多くの登場人物がたばこを喫っていた。それが気に入らないらしく、「こうした喫煙のシーンを減らせないなら、青少年には有害のR指定にすべし」と戯言を申し入れた嫌煙クンもいたと聞いた。

あの時代は、男性の喫煙率は九割を超えていたはずだ。にもかかわらず喫煙場面を無くせとは……。

「尖閣」に「竹島」。歴史の捏造と歪曲、史実の曲解が十八番の、どこか近隣の国の方にそっくりの思考回路と見える。そんなに史実の偽造がお好きなら、お仲間サンがたくさんいらっしゃる国に引っ越したら如何かな?

さぞかし波長が合って、日々楽しいでしょうよ。

私は、禁煙運動は科学的根拠がデタラメで間違っていると判断しているから、徹底的に反対するが、禁煙運動そのものを否定するつもりはない。愚かなりとはいえ、一つの考え方だから、社会常識の範囲内なら、やりたい人は勝手にやれば宜しい。

しかし、歴史上の事実を改変してまで、禁煙運動を展開しようというのは、どこかが壊れているか、妄念に取り憑かれている御仁だと思う。

過激な嫌煙サン、正気を取り戻したらどうですかな。


某月某日

たばこを吸います。 それなら採用!

ハローワークに正社員1名の求人募集をして2ヶ月経ったが、意外なことに全く応募が無い。女性のパートタイマーへの応募は何人も来たが、正社員の方は来ない。

就職難とは言っても、我が社の様な地方の中小企業はなかなか人材募集は厳しいのが実情だ。

ところが、来春に男女各1名が退職するので、男女合わせて5名の募集をしたところ、翌日から面接希望者が殺到した。 <

求職者の心理とは面白いものだ。正社員1名の募集だと人手不足の為と思って敬遠するようだが、5名となると、この会社は業務拡張に意欲的な伸びる企業と思ってくれたらしい。

三日間で30数名面接したが、良さそうな方が多くいて、どなたを採用したら良いか本当に迷ってしまった。

そこで、たばこを喫うかどうか改めて尋ねて、「喫煙する」と答えた方のみを採用することにした。

結果は、男性3名、女性1名。全員が愛煙家である

後日、役員の中に「時代に逆行していませんかね」とブツブツ文句をいう奴がいたが、昨今の馬鹿げた嫌煙の風潮に抗して、正直にたばこを喫うとはっきり言うだけでも、人間に芯があり、大いに見所がある。

「採用は私の権限だ。ガタガタ文句を言うな」と一喝した。

なにしろ、私を含めて男の愛煙家はわずか3名にまで減っていたので、多勢に無勢、正直言って居心地の悪い思いをしていたのだ。

喫煙者が増えたので、立派な喫煙室も作った。ゆったりしたソファーや冷蔵庫を置き、くつろげる快適な環境にしたら、今まで隠れて吸っていた女子社員も堂々と喫煙室で喫い出して、喫煙室が憩いの場になった。

会社にとって最も大切な財産は社員だ。大したことはない会社だが、働いて頂く以上、仕事に生きがいと楽しさを感じて欲しいし、小さな所帯だから同じ窯の飯を食べる仲間として付き合っていきたいと思う。

働く場に愛着を持ってもらい、頑張って和気藹々と仕事をしてもらうには、職場にゆとりとちょっとした息抜きの場が必要不可欠だ。そのためには、私は何よりも「たばこでちょっと一服」が一番だと信じている。

2012.10.19