禁煙ファシズムにもの申す

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書評「タバコと酒」の健康常識はウソだらけ (WAC)

腰帯に「タバコは肺がんの主要な原因ではない!」「ニコチンは右脳を活性化させる効果が高い!」「酒とタバコは人生の糧となる!」と謳ってあるのを見ると、世人は愛煙家で上戸の奇矯な医者が牽強付会の議論を展開しているだけのトンデモ本と即断してしまうかもしれない。しかし、この本は最新の医学と科学の知識に基づいて良識派の医者が冷静に客観的にタバコと酒の害と益について論じた常識の本である。

著者の橋内章医学博士は現役の臨床医である。タバコと酒について世間に流布された「健康常識」を一つ一つ、最新の医学論文と科学知識という証拠を基にしながら検証していく。もちろんその「健康常識」とは、酒もタバコも健康に悪いというものだ。「健康常識」がすべてウソではないことは、著者も認めている。しかし、あまりにもウソが多い。だから「ウソだらけ」と結論づけているのである。

著者は様々なデータを基に「肺気腫の人はタバコをやめましょう」「「虚血性心疾患の人も控えた方がよい」と言う。当たり前の話である。しかし同時に「タバコは脳に関しては悪いことは一切ない」と断言する。このことは愛煙家は皆、自らの経験で知っていることだ。著者は「最新の医学・科学情報により、タバコが健康に悪いというのは、たんなる思い込みだと考えています」と断言する。

この本の真骨頂は、生物学的、社会学的な知見を踏まえて世間の嫌煙運動の本質を喝破し、嫌煙者の邪悪な意図をあからさまに描いたところだろう。この点は議論が分かれるところかもしれない。しかし、本質を突いた議論であることは間違いない。

嫌煙者の医者の皆さん。この本の内容に真正面からきちんと反論できますか?

愛煙家、嫌煙者を問わず、広くタバコのことに関心を持つ方にお奨めしたい知的良心の書である。

2013.11.19