禁煙ファシズムにもの申す

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愛煙家 さいとう・たかを氏逝去

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 劇画「ゴルゴ13」で有名な劇画家のさいとう・たかを氏が今年9月24日に膵臓癌で逝去された。享年84。
中学卒業後に生家の和歌山市の理髪店を継ぐことを拒み、画家を目指した。才能が認められて売れっ子の貸本漫画家となり上京、ストーリー漫画家として昭和43年から小学館のビッグコミックで「ゴルゴ13」を連載、読者に熱狂的に支持されて半世紀以上に亘って描き続けた。日本に「劇画」のジャンルを確立させた立志伝中の人物である。

劇画「ゴルゴ13」の魅力は、主人公である超一流の狙撃手の暗殺者であるゴルゴ13ことデューク東郷の縦横無尽の大活躍もさることながら、背景となる現代の複雑怪奇な国際政治経済の表と裏の真実を活写したことだろう。連載された1作1作がまさに上質のスリラーサスペンス映画を彷彿とさせ、知的満足感も与えた大人の読み物である。

さいとう・たかを氏は大の愛煙家としても知られた。作画中は常に煙草を燻らし続けるチェーンスモーカーだった。煙草が創作のエネルギー源となっていた。1日に1カートンというシガレットにとどまらず、ハバナ産のシガリロやパイプ喫煙も嗜んでおられたと聞く。世間の愚かな嫌煙の風潮に強く反発しておられた。

氏のご遺志により、「ゴルゴ13」は弟子たちのさいとうプロが描き継ぎ、引き続き連載されると聞き、嬉しい限りだ。


齊藤隆夫さん、ありがとうございました。「ゴルゴ13」が産まれた時からの愛読者であるとともに愛煙家の一人として心よりご冥福をお祈りします。合掌。

2021.10.08