パイプの愉しみ方

パイプの愉しみ方

J.P.S.C.創立50周年記念メンバーズパイプ

日本パイプスモーカーズクラブ 事務局長 青羽 芳裕

日本パイプスモーカーズクラブ(J.P.S.C.)は創立50周年を記念して、メンバーズパイプを製作しました。現在ではクラブパイプと呼ばれることが多いと思いますが、J.P.S.C.では伝統的に会員のためのパイプということで、メンバーズパイプという呼び方をしております。
このパイプはフランスのシャコム社製で、シャンクとマウスピースが四角い形状をした、シェイプ442です。このパイプは1967年にJPSCが創設された際に作られた、一番最初のメンバーズパイプを復刻したものです。
最初のパイプが作られてから50年、幸い多くのパイプメーカーが消えていった中、シャコム社はサン・クロードの大手メーカーとして健在であったことから復刻が可能になりました。

故岡部一彦世話人代表は、最初のメンバーズパイプのことを次のように書かれています、
「フランスのシャコムが名乗りでた。『日本のクラブのメンバーズパイプを作れるというのは光栄である。ぜひうちで作らせてくれ』というのだ。すぐに同人にはかった。結論がでた。『シャコムなら世界的なメーカーだ。結構じゃないか・・・・・・』
 ちょうどフランスからシャコムの社長が来日したので、直接お目にかかっていろいろと話あったところ、こちらの注文とおりの型と材質を揃え、しかも社長みずからがチェックしようという」

1967年当時のシャコムのイブ・アントワーヌ社長が来日し、話が始まりました。

また、打ち込まれる会員番号も、当初の刻印方法を踏襲しました。岡部世話人代表は次のように記しています。
「クラブは毎年一本ずつメンバーズパイプを同人に配布しようということにもなった。
そのパイプには、クラブ名と、同人の会員ナンバーを打ち込むことにした。ナンバーは頭に配布した年度を入れ、次に個人のナンバーを打つ。たとえばJPSC 67 056とあるものば、ジャパン・パイプスモーカーズクラブ、67年度のメンバーズパイプで、五十六番の同人ナンバーの人のパイプということである。この人の今年のパイプはJPSC 69 056となるし、来年度は70 056となる」

そのため、今回配布のパイプの刻印も5ケタの刻印を刻みました。
最初の2ケタは今年の2017年度を現す17。
次の3ケタは会員番号となります。
そのため会員番号1番の人は、会員番号001 、その前に年度の17がつきますので、17001という刻印になります。

製作にあたり、快く引き受けてくれた、先代シャコム社長の息子さん、アントワーヌ・グレナール社長に感謝します。JPSCとシャコムは親子二代の付き合いとなります。そして日本での代理店であり、面倒な刻印を打ってくれた柘製作所に感謝いたします。