キセル・シガ−の愉しみ方

キセル・シガ−の愉しみ方

葉巻の喫いかた

何故葉巻を喫うのかといえば、旨いからである。パイプ煙草も旨いから喫っているのであって、それ以外に煙草を喫う理由があるとは思えない。
このホームページを開けているならばスモーカーであり、少なくともパイプ煙草を喫うことに興味をもっていると思われるので、そんなスモーカーのために書いてみたい。
葉巻を喫うことはパイプを喫うのに比べると、楽に入れると思う。パイプのように煙草の詰め方の加減が判らないとか、パイプを焦がすといった様な心配はない。
葉巻を購入して、シガーカッターで葉巻の頭頂部をカットし、火を燈せば良い。
最初に、葉巻の構造を説明しよう。葉巻はフィラー、バインダー、ラッパーから成る。フィラーは中心に巻かれる葉である。バインダーはそれを束ねる葉、そしてバインダーの上に滑らかで美しいラッパーを巻く。そのような構造になっている。
葉巻は2種類に分けられる。ハンドメイド・シガーとマシンメイド・シガーである ハンドメイド・シガーのフィラーには、ロング・フィラー、煙草の葉がそのままの形で巻かれている。マシンメイド・シガーはフィラーに細かい葉が使用されている。
この二つの見分け方は、通常マシンメイド・シガーの喫い口の部分はすでにカットされている。最も簡単な見分け方は値段である。極端に高いマシンメイド・シガーも存在しないし、極端に安いハンドメイド・シガーも存在しない。また、マシンメイド・シガーの中にはラッパーは葉を使用しているが、バインダーに紙を使用しているものもある。
葉巻を愉しむのであれば、とりあえずハンドメイド・シガーをお勧めする。
喫う葉巻を選ぶ時に注意するのは、唯一点だけである。コンディション(状態)である。コンディションとは煙草と湿度の関係を意味する。パイプ煙草は湿度にそれほど気は使わない。といっても、店晒しになっていたパイプ煙草がパサパサで旨くないことは、パイプスモーカーは経験的に知っているだろう。それを、もっと注意深く見る必要がある。どんな高価な葉巻でも(本当に高価な葉巻というものが存在する)、コンディションが悪ければ、どうにもならない。通常葉巻の湿度は70%が望ましいとされている。そのために、葉巻を保管するためには、湿度を保つためのボックス、ヒュミドールが必要になる。ともかく、触ってカサカサし過ぎたもの、反対に加湿し過ぎてグニャグニャな葉巻は避けた方が良い。
今、とりあえず葉巻を置いてあるBARが全国的に増えている。そこで、まず喫ってみるのが良いだろう。
まず、葉巻の頭頂部をシガー・カッターで切る、こちらが、口に銜えるほうである。通常のシガー・バーに置いてあるのはフラット・カット用、つまり一直線に切るカッターのはずだ。次に、すでに切断されている端を片燃えしないように、万遍無く火をつけて喫ってみよう。
それから、煙はパイプと同様に肺には入れない。このことは、パイプを喫っていれば判っていることだろうと思う。
Cigar Barには、葉巻の他、シガー・カッターや葉巻用のターボ・ライター、点火用のシダー片等が置いてある。葉巻はパイプと違って、喫い続けていれば、火が消えにくい。たとえ消えたとしても、もう一回火を燈せば良い。
もし、パイプ煙草と葉巻の違いはと聞かれれば、パイプ煙草はカクテルの様な、ラタキアをメインにした強烈な味から甘い香りをトッピングしたものまで、煙草の葉をブレンドした幅広さがある。しかし、葉巻にはパイプ煙草の様な、異なり方はない。しかし、葉巻には煙草の葉の発酵と熟成を味わう深みがある。
葉巻はワインと同じ様に、農産物であり、そのため葉を生産する国・土地が問題になる。通常ハバナシガーと云われる葉巻に使われている葉は、キューバの全土で取れるのではなく、ピナール・デル・リオ州の中の極めて極めて狭いエリアでしか取れないということは、あまり知られていない。
最初に喫うなら、コロナかプチ・コロナのサイズで始めるのが良いだろう。長さが13〜14cm、径が16〜17mmのサイズである。最初から、あまり長いもの、太いものはお奨めしない。また、持ち帰って喫うならば、チューボ入りの葉巻も良いかもしれない。具体的な値段を考えると、パイプ煙草よりもかなり高く感じるだろう。このサイズで1,000円〜1,500円はする。つまりパイプ煙草1缶分になる。しかし、値段なりの喜びはあると思う。
それから、ドローが良いものが喫いやすい。ドローが悪い葉巻は掃除をしていないパイプの様に喫いにくい。とりあえず、自然に煙が入ってくる状態がベストだと思う。
また、葉巻を喫う時はある程度、少なくとも1時間位は時間を取って欲しい。あえて言えば、煙草は時間を愉しむものだ、特に葉巻は。
まあ、考える前に、まず葉巻を喫ってみることをお奨めする。