大会記

大会参加記

全日本選手権外伝「第35回記念大会 海外からの招待者、参加者で賑う」

連盟創立35年記念ということで、海外からも駆けつけたゲストが目を惹いた。

競技に参加したのはスウェーデン・パイプクラブの会長ペル・ビルホール氏、中国パイプクラブ連盟会長のエディ・ウォング氏、香港パイプクラブからは会長パオ氏の代行として会員のハリソン・ウォング氏が参加。そしてマレーシアからはクラブ設立とCIPC加盟を目指しているジョーンズ・ユーエン氏とチェン・リム氏の2氏が参加した。残念ながら、もう一つのアジアのクラブ、台湾パイプクラブの選手予定者が病気のため出席を見合わせた。

中国パイプクラブ連盟では、今年12月に上海で中国初めての国内選手権大会を開催する予定で、その準備のための視察を兼ねての参加である。スウェーデンのビルホール氏は1990年に東京で開催された第七回世界選手権大会にデンマーク・チームの一員として参加しているが、帰国後スェーデンでのクラブを創設し、現在はその会長を務めている。

香港政界の重鎮であった香港パイプクラブの会長パオ氏は、現在は政界から身を引いてはいるが、英国の爵位をもち依然として激務に追われているが、日本の記念すべき第35回大会に代行として若い実業家のウォング氏夫妻を参加させた。日本パイプクラブ連盟にパオ会長の揮毫による自作の漢詩掛け軸を一幅寄贈された。マレーシアのリム氏は元JTの現地社員でユーエン氏と連携してマレーシア初のパイプクラブの結成を目指し、長喫い競争とクラブ運営を学ぶことを兼ねての参加である。


パイプショウには作家が2名、デンマークのトム・エルタン、米国のリー・フォン・エルクの2氏、さらに米国の著名なコレクターでアマハースト大学の客員教授であるトーマス・ルーカー氏は、ブライアーギャラリー館の館長でもあり、そのコレクションの一部を出展した。そしてネットで日本人作家の作品も扱うスウェーデンのビルホール氏が日本では入手し難いパイプを多く出展した。

ルーカー教授は、日本の作家作品を多く収集しているが、徳富博之、後藤景一、佐藤純雄、有田岳生、北原栄一など日本人作家のパイプがデンマークを始めとする各国の作家に大きな影響を与えていることから、特に自由奔放な作風の徳富博之の作品に的を絞り、日本の愛好家が目にする事の少ない作品を展示しながら彼の作品がデンマークのテディ・クヌードセンなどに与えている影響を実物で示し、熱心に解説を行なった。戦後デンマーク・デザインのパイプが世界を席巻していた時代に代わって、今や日本の作家の作品が世界に第2の新しい波を起こしていることを日本のパイプ愛好家に見てもらおうと全て自費で来日したものだ。

米国のPipes and Tobaccos誌に日本人作家に関する記事を何度か寄せている教授の熱心な説明に、日本のパイプ愛好家たちも目から鱗が落ちる面持ちで聴き入っていた。

香港パイプクラブ会長のパオ氏は、日本パイプクラブの35周年記念に寄せて、自作の漢詩の掛け軸を会員のウォング氏に託して贈ってくれたが、ご本人による英訳からその拙訳を次に掲げる。

日本パイプクラブ連盟35周年記念および2008年全日本選手権大会に寄せて

時は流れるも、人生の楽しみに衰えなし。

日は昇り、日は落ち、紫煙の技はますます拡がり世に満ちる。

日本の秋は深まり、パイプを愛する人びとに、

その技を競う場に最高の背景を供する。

香港パイプクラブ会長パオ・ピン・ウィングおよび会員一同

香港パイプクラブのエディ・ウォング氏からは、パイプ柄のパンツ40枚が贈呈され、大会の賞品として供された。

参加したアジアの各クラブからは、日本の盛大な大会に刺激されて、マレーシアのパイプクラブが設立されたあかつきには是非アジア大会を開こうとの声があがった。日本から始まったパイプクラブ活動の波はアジア各地にも大きく拡がりを見せ始めたといえよう。

日本パイプクラブ連盟事務局