大会記

大会参加記

第35回全国パイプスモーキング選手権大会開催後記

約1年前に連盟会長から35回大会は六本木に幹事クラブをやってもらうと言われた。六本木ローデシアンパイプクラブは少人数であるが精鋭ぞろい、青森大会でもチーム優勝し個人でも優勝した。この実績故のことと思い、とりあえず持ち帰ってクラブの例会で会員の皆に相談した。全員から「やりましょう」という力強い返事を得て、幹事クラブを引き受けることを連盟会長に返答した。

今回は連盟創立35周年ということもあり、どのような形にするか皆目見当がつかなかった。このため、以後月に一回程度、連盟との会合を持ち、綿密に打ち合わせをしつつ準備を進めた。

まず、大会の開催場所である。東京湾上でクルージングできる船をチャーターして船上オープンデッキで開催する案、船着場のターミナルビルで船の出入りを観ながら開催する案、等々沢山の建設的な案が出た。そこで、予想参加人数等いくつかの条件を勘案しながら、出された案を一つ一つ具体的なものに練り上げて篩いにかけていったところ、最終的に東京らしさが出せて、全国的に知名度の高い浅草のホテルで開催することに落ち着いた。

さて、ポスターである。これは六本木のベテラン会員が考え、六本木らしさをモチーフにテーマを絞っていった。結論は東京タワーと雷門ということになり、そのベテラン会員が自ら出かけていき納得できるまで何枚も写真を撮り、限られたスペースに収めて作成した。大会案内書とか申し込み用紙とかもろもろの全国各地のパイプクラブに送付するものも、連盟理事の方々からケツをたたかれながらどうにかタイミングを失することなく発送した。

協賛各社への挨拶回りも連盟首脳と同行して、厚かましくも色々なことをお願いしたが、全て快く引き受けてもらうことができた。賞品も連盟理事と打ち合わせて用意した。しかし、これらは上位入賞者のものである。多くの参加者が見込まれることから、せっかく記念大会に参加しながら手ぶらで返すようなことは避けたいとの意見が出た。何かしらの賞品を全員に渡したいが、しかし、渡すものが無い。

ということで、各クラブに声をかけて提供を募ることになった。これに賛同していただいて数多くの賞品が集まり、更には大会当日に持ち込んでいただいた品々まであって、結果としてどのように割り振るかで頭を悩ますといった嬉しい悲鳴をあげることになった。

大会使用パイプは、ブランデーグラス型の肉厚のふっくらしたシェープの少しシャレタ感じのものをということでお願いして作成にこぎつけた。幹事クラブ六本木をさりげなく示した青い六本の木を刻印した。そして、誰も気がついていないだろうが、パイプを入れる布製の簡易ポーチに描かれている絵柄。これは、名優ハンフリー・ボガードが街灯にもたれかかってパイプをくゆらせている図をプリントしたものである。パイプ製作会社社長のこだわりである。

今まで「パイプワールド」として開催していたパイプ等の展示即売会を、今回は実態をわかりやすく表す名前ということで「パイプショウ」と命名し、大会と同時開催することになった。連盟創立35周年ということでもあり、連盟の歩みと大会の模様を示すパネル展示に加えて、それぞれの大会で連盟が支給した大会使用パイプを並べることにした。このために写真等資料の提供を全国のクラブにお願いしたがなかなか集まらず、最終的には六本木クラブオーナーの高橋氏の貴重な所蔵物とアルバムから抜き出していただき、パネルを作り、パイプを展示した。

そして、初心者向けのパイプ教室、これは浦和ハンドメイドパイプクラブの大久保氏とジョンシルバーパイプクラブの佐久間氏にお願いし、全面的な支援を得た。

タバコとパイプそして関連グッズ及び出版物の展示即売は海外にも声をかけて参加を募った。当初は、はたして会場が埋まるだろうかと危惧したが、予想に反して、皆様が当日直接ご覧のとおりの大盛況になり、胸をなでおろした。

しかしながら、六本木の担当会員は計画段階からホテルの会場下見にはじまり、当日の出展テーブル数とそれらの配置に至るまで最後まで準備作業を取り仕切ることになって、てんてこ舞いの忙しさ。おまけに選手宣誓の大役まで押し付けられた為、著しく集中力を削がれ、全国大会個人優勝2連覇を逃す結果になってしまった。

表彰式前のアトラクションの出し物をどうするか、大会を引き受けた当初から頭を悩ませた。全国各地に伝わる郷土色豊かな踊りや演芸が、東京には案外乏しい。全国から集まった皆様方に、実際に会場で披露して楽しんでもらえるようなこれといった出し物となると、なかなか思いつかない。色んな案が浮かんだが、いずれも帯に短し襷に長しである。最終的に幹事クラブの高橋会員からの提案を採用し、「浅草サンバ」を出そうということになり調整した。

来賓には、東京で、そして浅草でということから、石原都知事を担ぎ出すか、台東区長にお願いするか両案が出たが、代理でなく本人が出てくれる方にしようということで交渉をすすめ、結局、台東区長にお願いすることになった。

連盟の助言と指導を受け、細部にいたるまで綿密に準備したが、いろいろな行き違いや思い違いがあって、大会前日まで余計な作業や無駄になってしまった仕事も数多くあった。しかし、さすが我が六本木クラブのメンバーである。全員が文句のひとつ言うでなく整斉と準備を進め、当日皆様のご来場を待つばかりの形に仕上げたのである。誠にアッパレな我がクラブの仲間である。

本大会開催にあたり、色々とご援助いただいた皆様!

有難うございました。

心から御礼申し上げます。

当日の盛会の様子は別途連盟の大会本記に詳しく出ているので、ここで述べるのは割愛させていただくとして、このように準備する側としては真心を込めて万端整えましたが、当日参加された各位に対して万一、不行き届きな点がありましたならば、この場をお借りしてお詫び致します。

六本木ローデシアンパイプクラブ会長 第35回全国大会実行委員長 田中 需