大会記

大会参加記

第11回 中四国パイプスモーキング選手権大会記

第11回中・四国パイプスモーキング選手権大会が岡山パイプクラブの主催で9月9日(日)、JT岡山支店会議室で開催された。その結果、個人戦は岡山PCの西崎孝男選手が115分17秒の好記録で優勝し、団体戦も岡山PCが264分30秒で優勝した。レディース戦は日本パイプスモーカーズクラブ(JPSC)の節句田恵美選手が76分30秒で中・四国大会2度目の優勝を飾った。

中・四国大会は強豪が出場する水準の高い大会として有名だが、今回も中・四国を中心に全国大会の優勝経験者や上位入賞経験者ら40名が参加して、ロングスモーキングの技を競った。

会場となったJT岡山支店会議室には、受付開始時刻前からはるばると東京から駆けつけたジョンシルバーPCや東京SC、JPSCの面々が出揃った。薄緑色の下地に似顔絵つきで「NPC」のロゴマーク入りのTシャツを着た面々が目を引いたが、岡山PCの中川選手とその仲間の倉敷のフリー参加の皆さんだった。午後1時に開会式が始まり、香山雅美岡山PC会長が主催者を代表して挨拶、「パイプ喫煙愛好家は、今や絶滅危惧種と言われているが、その分、結束は固い。今回参加した40名の選手のうち、地方大会のチャンピオンパイプを獲得した人が9名もいるので、主催者権限で今大会のチャンピオンパイプは、中・四国地域のクラブ員以外にもオープンにする」と宣言して盛大な拍手を浴びた。

続いて大会を公認した日本パイプクラブ連盟会長の梶浦恭生会長が挨拶し、東日本大震災に中四国地域の各パイプクラブが多額の義捐金を寄せたことに謝意を表明するとともに「全国各地の古参のパイプクラブは設立から40年近くが経過し、会員の高齢化が目立っている。中四国地域には多くのパイプスモーカーがいらっしゃると聞く。連盟の活動をさらに活発にするために、皆さんが同好の士を募って新しいパイプクラブを設立する芽を出して欲しい」と要請した。

来賓として挨拶された近田仙之JT岡山支店長は「たばこを巡る環境は厳しいが、愛煙家の中核であるパイプ喫煙愛好家の皆様の精力的な活動が、我々の活力の源となり、感謝している」と述べて、盛大な拍手を浴びた。近田氏は、JT入社以来、パイプを手にするのは今回で3回目だそうで、「岡山PCから頂いたパイプで3日前に試してみたが、火が着かなかったので、今回はちゃんと火が着くようにしたい」とのほほえましい決意表明もあり、競技開始前で張り詰めていた会場の雰囲気も大いになごんだ。

最後に大会の使用たばこ「飛鳥」を提供して下さったJTアイメックス社長の蒲地光氏が「飛鳥」の商品紹介をするとともに、今大会に参加した徳島PCの榊寿之選手から日本専売公社が昭和30年代に製造したと思しき「桃山」の未開封缶3缶を贈呈されたことを披露して「二度と手に入らない貴重なものだから10月23,24日に東京交通会館で開催するスモーキングフェア2012に展示させて頂く」と述べた。

この桃山の未開封缶は榊さんが自宅の蔵を整理した際に発見したものだそうだ。現在市販されている缶入りピースと同じ缶に密封されているため、おそらく味も香りも昔のままだろうということだった。パイプたばこ愛好家にとっては垂涎の的だろう。

さて、検量に合格した3グラムの使用たばこが各自に配布され、いよいよ競技開始。司会者の「3、2,1、開始」との掛け声とともに1分間以内に着火した。フリーの選手としても参加した近田支店長は着火に失敗して記録は1分ちょうどでリタイアされたが、着火に失敗した選手は少なく、火持ちの具合がなかなか良い。後で聞いたら、大会前に「飛鳥」缶を開封したら葉がやや乾いている感じがしたので、香山岡山PC会長がほぼ半分の量を霧吹きで湿らせて1日置き、湿気が葉に馴染んだところで、残り半分の葉と混ぜてから3グラム袋に詰めたとか。全日本などの大規模の競技大会ではなかなかこうした配慮は出来ないだけに、香山会長のきめ細かな心配りに感心した。

開始1時間を超えても、まだ半数以上の選手が悠然と煙を出し続けるという水準の高い大会となったが、70分を越えたあたりから強豪選手が次々に消えていき、80分を越した段階で6名に絞られた。優勝記録は100分位かと予想したが、91分で高松PSCの寿福靖男選手が消えて、一人残った西崎選手の独走状態に。

3年前の大会では徳島PCの木内成一名人が164分46秒という大記録を出して中・四国大会記録を更新しただけに、第32回全国大会で129分15秒で優勝した経験がある西崎選手がどれだけタイムを伸ばせるかに絞られたが、115分17秒で「消えた」と合図。パイプ検査も合格して見事優勝が決まった。意外なことに西崎選手は中・四国大会では初めての優勝だそうで、チャンピオンパイプを獲得した。

表彰式は、香山会長が自社製品の鞄類や手提げバッグ、高級磁器製品を大量に提供してくださり、また大会協賛の柘製作所も多くの賞品を提供して下さり、参加者全員にもれなく賞品が行き渡った。参加費3000円と言う質素な大会だったが、関係者のご協力で中身の濃い大会となった。

日曜日の休日にも拘わらず快く会場を提供して頂くとともに、多くの幹部社員が大会運営に協力して下さったJT岡山支店の皆様に心より感謝申し上げます。また協賛各社様、ありがとうございました。

□第11回 中四国パイプスモーキング選手権大会 成績表(PDFファイル)

日本パイプクラブ連盟事務局