大会記

大会参加記

第15回クラブ対抗 ワールドカップ ポズナン2013

第15回のワールドカップはポーランド第4の都市ポズナンで10月13日(日)に開かれた。世界から22か国、52クラブ、293名が参加した。

大会前日の10月12日にはCIPCの総会が開かれ、新会長にオランダのコーネリウス・クランス氏が選出された。同時にこの総会で5年後の2018年世界大会が東京で開催されることが決定された。

12日から大会登録とパイプショーが開催、夜にはガラディナーが催された。パイプショーは日本と同様に多くのパイプが並べられ、個人作家ではポーランドのパストゥーフも参加していた。日本と異なるのはパイプタバコの販売が多かった事、そして葉巻のローラーによる実演もあり、葉巻専門のブースも2軒あったことだった。

大会当日13日は、前日から引き続き大会登録とパイプショー、大会開始は午後3時半のため、多くの参加者は街に出て観光やカフェでの喫煙を愉しんだ。

午後3時半前から会場には多くのスモーカーが集まり始め、中には歌を歌いながら旗手を先頭に入場してくるクラブもあった。会場では、「次の世界大会は東京だね」と声をかけられた。

日本チームは節句田、香山、平野、青羽の4名、同じテーブルには、オランダ、スペインのクラブが座った。

壇上には新旧のCIPC会長、開催国のポーランドの会長、そして大会審判長として鈴木CIPC副会長が座った。

日本と同様、スピーチ、タバコの説明等が複数言語で行われるため、時間がかかる。

他の国の参加者の様子を見ていると、興味深かったのは、配られたA4判用紙の四辺を折り、巨大な灰皿状にする事だ。マッチはかなり不良品があり、交換を申し立てるスモーカーも多かった。パイプはポーランドのパイプメーカー、Mr.Brogのパイプが使用された。パイプ・シェィプはロバット、シャンクの端にポーランドの国旗と同じ白と赤のリングが付き、シャンクの木部には「WORLD CUP Poznan 2013」の文字が金で刻まれている。綺麗なパイプである。タバコの配布が始まると全員が一斉にタバコを揉み始めた。

5分の装填時間が過ぎ、いよいよ競技がスタートした。30分過ぎても殆ど人数が変わらないように見える。ただ、時々起こる参加者たちのタンパで机を叩く音が、奇妙な感じである。

隣に座っていたのは、旧知のトニー・パスクアル、スペインパイプクラブ連盟の会長だった。かつて遊びでロングスモーキングコンテストを一緒にした経験があるが、かなりの強豪である。彼は45分で消えたが、驚くべき事にパイプの中のタバコを用紙の上に出すと、どうみても2.5グラムのパイプタバコが残っていた。これが、世界の水準かと驚かされた。日本チームも一人消え、二人消え、三人消え、私が消えたのが1時間24分であった。

ここから観客に変わるわけだが、ここからが長かった。2時間を過ぎても10名は残っている。特にフィレンツェ・チームは3人残り、クラブ・チーム優勝は上位3名の総合時間で競われるので、優勝が確定した感があった。

2時間20分を過ぎた頃から次々と消え始め、2時間30分を越えると2名だけが残った。いよいよマッチレースかと思われたが、2時間35分でベージュのポロシャツを着たプラハのメンバーが消え、オランダのハンス・ソンダーマン氏の優勝者が確定した。
ところが、ここからがまた長かったタイムは3時間を越え、3時間6分56秒で手が上がった。パイプチェックにパイプを持って行ったのは、同じくオランダ人の新会長自らだったが、かすかにまだタバコが残っていると呟いているように聞こえた。パイプチェックも終了し、新チャンピオンの廻りは祝福の渦となった。

ここからが興味深い。コンピュータ処理がなかなか終わらず、時間がかかっているなと思っていた。ところが、会場のプロジェクター上には何の表示もないのに、突然あちこちから、喜びの声が上がるのであった。よく見るとスマホを見ながら肩を抱きあい、涙を流して歓喜に酔いしれている。つまり入賞の発表はネットで行われていたのだった。大会終了までペーパーの配布はついに行われなかった。

今回、最高タイムは3時間を越えた、今回の全日本の時でもそうだが、新しい喫い方にスモーキング・スタイルが変わった、仮に「ヨーロッパ・スタイル」とでも呼んでおこうか。まず、火皿を上から眺めている時間が長い。それから、灰をタンパで取るためか、用紙の上にスタンピングの後と、異常に汚れが多い。そして、タンパ・ワークを多用しているように見えた事だろうか。

3時間越え、世界のハードルは高い、そんな印象が残った大会であった。


大会記録

団体成績

1位 Corsellini Pipa Club Firenze – team A – time 07h:16m:14s
(Alessandro Corsellini (02:29:37), Aldo Martini (02:24:54), Franco Bonarini (02:21:43), Sergio Sergi (01:09:25))
followed by:
2位 Cerea Pipa Club – team A - 06:23:29
(Enzo Conia (02:27:00), Gianfranco Ruscalla (02:16:18), Ferdinando Cruciani (01:40:11), Marco Neirotti (01:23:20), Paolo Moccia (00:19:05))
3位 St. Petersburg Pipe Club – team A – 05:11:11
(Alexey Maydanov (01:55:10), Igor Svadkovsky (01:54:41), Lev Vasilyev (01:21:20), Alexey Shekhovtsov (01:05:19))



個人成績

1位 Hans Sonderman         03:06:56  Dutch National Team
2位 Martin Pedain            02:35:43  Dymka o.s.
3位 Alessandoro Corrsellini   02:29:37 Corsellini Pipa Club Firenze



レディース優勝

Erzsébet Sziber – Kisváros Pipaklub – 01:20:07



日本チーム 26位 03:27:31
44位  青羽芳裕  1:24:15
58位  平野憲一郎 1:18:00
173位 香山雅美     45:16
196位 節句田恵美  40:34

下記のホームページのオレンジ色の部分をクリックすれば、今回の大会の写真が多くご覧になれます。
http://www.pipeworldcup.com/media/

青羽芳裕